“バランスボールの上に乗り左右前後スイスイ! 運転はカンタン! ただ、上半身を自分が行きたい方向に傾けるだけ!”
もちろん電動式なので、排ガスなし! セグウエイができなかった小回りが楽チンにでき、まるでお風呂に入っているゆったり気分の乗り心地! そんな好印象の次世代型の乗り物が「オムニライド(OMNIRIDE)」である。オムニとは、ラテン語のオムニディレクション全方位のことで、どちらの方向でも進みます、という意味だ。
開発したのは、長野県諏訪市にある理科大の工学部・星野祐教授(52歳:写真)。制御システムの先生。最大速度8㎞/h、シート下にある4個のDCサーボモーターが直径300㎜のステンレス製(外側にゴムコーティング)のボールを駆動する。車両重量40㎏。
傾斜地でも、マシンが垂直を保つため、内蔵した姿勢センサーが働き、常に安定した姿勢で進める。急発進、急ブレーキ、速度超過という不測の条件が揃わないと、転倒しないという、いかにも不安定に見えるが、とても安定した乗り物。コンパクトなので、歩行者の横に付いて、会話を楽しみながらお散歩できる。なんだか人間的というか、人にやさしい乗り物である。
ちなみに、1号機の開発には、学生2名の協力で3年近くかかったが写真の2号機は9か月弱で完成したという。いまのところプロトタイプだが、「量産するとしたら80万円ぐらいかなぁ」と星野先生はにこやかに答えてくれた。