みなさん!知ってますCAR?

2022年3 月 1日 (火曜日)

三角断面グリップの貫通ドライバー

3角断面ドライバー

  通称“ねじ回し“とも呼ばれるスクリュードライバーは、世の中に星の数ほどある。
  大きく分けて、非貫通ドライバー、貫通ドライバー、それに小ねじ専門の精密ドライバーの3つのジャンルがある。
  このなかで、日本人が比較的好むのが、貫通ドライバーだ。なにしろ軸とグリップエンドまでが一直線に貫通しているので、固く締まった相手のビスにハンマーで衝撃を与え、緩めて回すことができる。そんなポテンシャルを秘めているので、非貫通と比べ3~4割がた重くはなる。でも日本人は昔から貫通ドライバーを選択する人が多いのである。ちなみに欧米人はドライバーへのこうした期待値(つまり叩いても大丈夫という)を抱かない。鏨を使うからだ。だから欧米のドライバーメーカーは長いあいだ貫通タイプのドライバーがカタログに載らなかった。
  これを踏まえ、あらためて今回取り上げるドライバーを眺める。台湾製ではあるが、なかなか秀逸な貫通ドライバーと言えそうだ。
  どこが感心したかというと、まずグリップだ。硬め(黄色部分)とやや柔らかめ(黒い部分)のハイブリッドの樹脂製グリップだが、断面が3角形。ドライバーをあれこれテストするとき、わざと石鹸をつけスムーズに回せるか、そんな意地悪テストをしてみる。いうまでもなく油の付着した手でも使えるかを見るのだ。大半のドライバーは空転する。これまですごいと思ったのが、ベッセルのウッド製のドライバーで、意外とよく踏ん張った。
  今回のストレートの2番プラスドライバーはどうか? 
  結論をいえば、ベッセルに迫るグリップ感を見せた。やはり3角断面と、表面の細かな凸凹(よく見るとアルファベットのMの文字が浮き出ている!)で、俄然グリップ力を発揮するのだ。グリップ太さが35mmというのも効いている感じだ。しかもグリップの長さも112mmとこれまでテストしたなかでも比較的長い。
  これたぶんマイナス要素なのかもしれないが、重量が164gとこれまでテストした貫通ドライバー(プラスの2番)のなかで断トツに重い。たとえばANEXのウッドに比べ51gも重いのだ。割合にして1.45倍!
  重い理由は、もう一つある。座金が一回りデカいのだ。通常φ18mmが標準でなかにはφ16mmというのもあるが、ストレートのこれはφ22mm。そのぶん指を詰める心配が少ない!? 購入価格は、570円。

2022年2 月15日 (火曜日)

100ギアのメガネ部をもつコンビレンチ

メカレンチ1

メカレンチ2

  “ついに登場! ギア数100で超スムーズなフィールを味わえるコンビレンチ! これでキミの整備力はぐ~んとアップ!”
  あえてショーワの臭いのするキャッチ―な宣伝コピーを添えるとなると、こんな感じだろうか。
今回取り上げるのは、首振りメガネを持つコンビネーションレンチ(略してコンビレンチ)。製品名「メカレンチ」。ここ数年、メガネ部にこのスタイルを選択する製品がかなり増えてきている。単なるメガネとスパナを両端に配するオーソドックスなコンビレンチは、なんだか20世紀の遺物として隅の方に追いやられた気分。
  付加価値を付けると、工具に求められる「軽量でいてほしい!」という切なる願いが、置いてきぼりを食らう。そこで、さっそく重量を測定してみた。サイズ12mmで95g。重量はたとえばKTCネプロスなどにくらべ20g重い。割りあいでいえば約25%増し。まぁ、許容範囲といえる。全長は172mm。ライバルに比べとくに長くもなく、ごく標準タイプ。このあたりの長さがちょうど使い勝手がいいといえる。
  メガネ部のギア数100についての評価はどうか?
  たしかに使うとチチチッというラチェット音が、心地よく、この面ではライバルをはるかにしのぐ。新境地といっていい。でも使用するうえでどうか? と言われると、振り角が小さくなるぶん悪いハズはない。が、それよりもメガネ部の幅27.4mmが気になる。通常のタイプより1割増しだからだ。これをそぎ落とすには、相当の技が必要だ。
  とはいえ、この製品には美点が少なくない。スパナ部に、ボルトの角を舐めないように滑り止めが施されている。スナップオンのフランクドライブとほぼ同じ感じだ。たぶん特許が切れて自由に使えるようになったのか? もう一つは、サイズの表示が両面に大きく、計4か所も施されている。これはとてもありがたい。それと細やかな梨地の表面処理は個人的には悪くないと思う。メガネ部のジョイント部は、ボルトで締め付けられるタイプなので、調整ができるので、クタクタになる心配はない。
  気になる価格は、ホームセンター購入で2290円。台湾製にしては、かなり高めといえる。

2022年2 月 1日 (火曜日)

身近に手に入るスイスのPBドライバー

Pbドライバー

  憧れのドライバーにスイスのPBがある。創業者のポウル・ボウマンの頭文字をルーツにするドライバー専門メーカー。もともと第2次世界大戦中にスイスの軍隊からの依頼があり、たしかな熱処理と緻密なモノづくりで、世界的なブランドを築き上げた。近年、魅力的なラチェットドライバーをリリースするなど、140年の歴史に胡坐をかかずに工具業界に新風を吹き込んでいる。
  日本では、大阪の商社が専門で扱っていたころはプロ仕様ということで、エンドユーザーにはなかなか入手しづらいブランドだった。ところが、ネット販売が広がるにつれ、比較的低価格な輸入工具は、ポピュラーな存在になりつつある。先日、ふらりと入ったホームセンターにも、数こそ少ないがドライバーが展示してあった。
  10年ほど前に、登場したいわゆる「スイスグリップ」と呼ばれる樹脂製の手にやさしく握れる品番8190というドライバー。グリップエンド部に大きくわかりやすくサイズ表示(Ph2×100/6とある)で、ユーザーオリエンテイティド・デザインだ。小振りのグリップは日本人の手にもなじむ。
  全長が204mm、重量72gと同種(つまり非貫通タイプのプラス2番)のなかでは、最軽量だ。あまり軽いと頼りなく感じる向きもあるかもしれないが、グリップの密着感が高いせいか、実際使ってみるとそうした心配は霧消する。試しに意地悪テストとして洗剤を付着した手でグリップを握り使ってみたところ、ほかのブランドにくらべグイグイと回せた。これはかなりのアドバンテージだ。
  ホームセンターでの購入価格は、1690円だったが、購入後あらためてAmazonで調べたら、なんと1182円(送料込み)とあった。結果的には500円ほど高い値段で購入したことになる。でも、やはり売り場でじっさい手に取り確認できるので、店売りの方がなかば安心して購入できるともいえる。(お店で確認し、ネットで手に入れるというドライな方法もあるが)

2022年1 月15日 (土曜日)

2800円で手に入る上等の日本製ラチェットハンドル

FLAGラチェットハンドル

  ストレートのハンドツールというと、台湾製で使えるけどソコソコ。あまり愛着のある工具は多くない、と思える。
  といった印象を抱いている読者が多いかもしれないが、製品ラインナップをよく眺めると、FLAG(旗の意味)というブランドがあるのを発見する。これじつはストレートのなかでも珍しく、MADE IN JAPANを意味するロゴである。
調べてみると、FLAGとは東大阪市にある秦製作所という従業員20名の老舗の工具メーカーである。秦→旗→FLAGということらしい。
今回は、このFLAGブランドの3/8インチラチェットハンドル(品番10-2000)を取り上げてみよう。
  まず手にしてラチェットをカチカチ言わせてみる。なかなか、細やかでいい音色である。ソケットを取り付け、さらにフィーリングを見る。悪くない。グリップが太く手に密着する。プッシュボタン式だから、ガタはやはりあるものの、まぁ許容範囲といえそうだ。ギア数は、数えてみると、80ギアだ。珍しい数である。これまで50本以上の3/8インチラチェットハンドルを試してみたので、そのデータを調べてみると、ギア数80は、スナップオンのFHR80と同じだ。だが、これは全長が244mmと長い。
  全長を測定すると、180mmでごく平均的。ネプロスNBR390が180mmなので、これに合わせたかもしれない。重量も262gと、これは同じネプロスのNBR3UNと全く同じだ。ついでにヘッド部の外寸を測定してみると、幅が27mm、高さ26mmで、これもネプロスと限りなく近い。
  左右の切り替えレバーの操作時の重さ(軽さ?)も適度なもので、作業着の袖にかかる心配もないデザイン。
  このラチェットハンドル、総合点は相当高い。高評価を与えた一因は、なんといっても価格だ。税込み2800円。3000円を切るプライスで、この品質。日本のモノづくりもけっして台湾や中国に負けていない!?

2022年1 月 1日 (土曜日)

見掛け倒しの軽量タイプ? ストレートのラチェットコンビレンチ。

ストレートの新型コンビレンチ

  コロナ禍のせいもあり横浜の都筑(つづき)にある工具屋さんのストレートに久しぶりに足を運んだ。
  お店のPCで顧客履歴を閲覧してもらうとなんと、4年ぶりの来店だというから驚く。いかにパンデミックが取材活動を阻害していたかがわかる。それはともかく、この店は門外漢の人には異常なほど、相変わらずぎゅうぎゅうの感じで工具があふれかえっている。
  今回見つけたのは、ストレートのオリジナルの『ラチェットコンビネーション軽量タイプ12mm』(品番11-7712)だ。写真(手前)で見るように柄の部分に2カ所肉抜きをすることで、軽量化を図ったというコンビレンチだ。メガネ部には、ギア数72のラチェットが組み込まれている。価格は960円とリーズナブル。
  この製品を一目見ただけで「ハハ~ン!」である。なにがハハ~ンかというと、肉抜きコンビはすでに新潟にあるASAHIが、「ライトツール」(写真の奥)という名称で7年ほど前から市場に出している。全長140mmで、今回のストレートの約30%短いし、重量は33gでストレート78gなので半分以下の超軽量だ。ちなみにASAHIは、メガネ部はラチェット式ではないが、ラチェット式のメガネブを持つタイプのコンビレンチは、大阪のTONEからやはり7年ほど前に登場しているのだ。TONE・RMシリーズ(写真中央)で、グリップ(軸)がエンタシスの断面のようなふっくらしたタイプ。
  つまり、若干いやらしい言い方に聞こえるかもしれないが、このASAHIとTONEの2つのコンビレンチのいいところを合わせた感じの製品だといえなくもない。
  そこで、一番気になる軽量かどうかだ。じっさい秤で計量してみた。意外や意外、肉抜きしていないTONEのRM(もちろん同じサイズの12mmだ)より12gも重い。割合にして16%も重い。これはもちろん、全長が25mm長い195mmもあるからだ。ここまでの長さがあれば、より大きなトルクをかけやすいが、果たして必要かどうかは、別問題。むしろ、私の経験ではショートタイプのコンビレンチの方が使い勝手がいい。
  ついでに苦言を呈しておくと、メガネ部にスパナ部同様15度の角度をつけてある点だ。
  スパナは、たしかにひっくり返すことで、振り角度を大きくできタイトな場所での使い勝手を高めている。ところが、メガネ部は、逆回転の切り替えができないので、ひっくり返して使うというわけにはいかない(ひっくり返せば緩んでしまい、元の木阿弥だ!)たぶんこれは、デザイン上の遊びなのかもしれない。スパナ部、メガネ部ともTONEに比べやや厚いのも気になった。ちなみに、仕上がりは鏡面で悪くない出来だ。

2021年12 月15日 (水曜日)

1070円で手に入る! ソケット用マグネットキャッチは有効か? 

マグネットキャッチャー

  奥まったところにあるボルトにナットを取り付ける、あるいはその逆にナットを取り外す! そんな時に、うっかりすると、ソケットに収まっていたナットが落下して、面倒な事態におちいる!!
  あるよね、そんなことが。よそ事を考えて作業しているときとか。なにも考えずにノー天気に作業したときとか! 人間はロボットではないので、そうした失敗はあってあたりまえ!(と居直るか、この場合)
  そこでだ。意外と見落としがちだったこうしたミス。“この、つまらないミスを犯してなるものか!” というのがこの小さなパーツに込められている。
  6角をした樹脂製ピースの2カ所(16mm以上は3カ所)に小さなマグネットが取り付けられている。侮るなかれ、意外と強力な磁石だ。この磁気力で、ソケット内のナットをがっちりとらえ、間違っても下に落とさない! という神業をやってのけようというのだ。
  さっそく、手持ちの18mmソケットに取り付けてみた。プラモデルでおなじみのゲートと呼ばれるつなぎ目をきれいに切り離すことからスタートだ。これをソケットのドリブン側(ナットが収まる側)に挿入する。マグネットが付いている方を外にしてだ。
  ところが、当たり前だが、この樹脂のピースが少し大きめにできている(小さいと落下して使い物にならないから!)ので、挿入するのに少しコツがいる。小さめサイズのソケットをあてて、ハンマーでトントンと奥まで送り込んでいく。俗にいうところの“当て金(がね)”つまりカラー。
  つまり小さめのソケットは、この場合、“カラーの役目”だ。よりスムーズに入れるには、ピースの角をサンドペーパーで少し削るといいかもしれない。ちなみに、撮影のため、カラーを使い挿入後、撮影が終わり、元通りにしようとして、樹脂ピースを逆から押し戻すべく、マイナスドライバーを使ったが、うまくいかず困った。まっ、このままでもいいか? いい方法が見つかればその時外せばOKだ、なんと呑気にかまえている。
  結論としては、愛用のソケットに装着するのがいいと思う。サイズ10mmから、11,12,13,14,15,16,17,18,19と全部で10サイズ。6角タイプだけでなく、12角タイプにも挿入可能だ。価格は1070円。悪くない選択だと思う。台湾製で、発売は三木市の藤原産業(株)だ。

2021年12 月 1日 (水曜日)

660円のバッテリードライバーは使えるか? 

バッテリードライバー

バッテリードライバー2

  1年以上前に近所のホームセンターの工具売り場で手に入れたものの、使いもせず工具箱の隅に追いやっていたのがこの「バッテリードライバー」。台湾製で兵庫県三木市にある藤原産業が販売元になっている製品。購入価格660円だった。
  「バッテリードライバー」といわれてもピンとこない。
  バッテリー本体の上部にある6個の樹脂キャップを脱着するとき、半月形の溝を利用して通常は10円硬貨を使う。でも、それじゃオシャレじゃない! と、このツールを使いなさいとばかり誕生した工具のようだ。さっそく使ってみると、なるほど10円コインとくらべると格段に使いやすい(写真)。コインだと手が滑ってどこかに消えてしまう恐れがあるが、長さ143mmのこのドライバーは存在感がありそうした心配はいらない。
  いい忘れたが、この樹脂キャップを外すときは、あまりないが、単独で充電する際内部から水素ガスが出るので、緩めて置いたり、あるいは内部の電解液の水位を確認するとき、とくに横から眺められない状況で、このキャップを取り外すというケースもある。
  この製品のもう一つの役割は、バッテリーのプラス・マイナスのターミナルに取り付いている2面幅10mmのナットを緩めたり締めたりする。カタカナのコの字というか、先端部がスパナになっていて、ここでナットをとらえ回そうというわけだ。いざ使ってみると、たちどころにOUTであることが判明した(写真)。
  そもそもスパナは、相手のナットの角2カ所でしか当たらないため、少し締め込みすぎたナットを緩めようとすると“オッと!”と思わず声が出かかり、ナットの角が舐めそうになったのだ。やはりここは、メガネレンチが断然有利だし、無難だ。
  ソケットツールでもやれなくはないが、工具が横になるので、使いづらいと思う。メガネに限る!
  さてこの製品、狙いどころはさほど悪くはないが、やや詰めが甘かった。そこで提案だが、ターミナルナットの脱着作業はメガネレンチに譲り、キャップの脱着だけに特化したらどうだろうか。スタビドライバーのように全長をごく短くし、同時にグリップ自体を二回りほど小さくして、さらに貫通穴を再考してキーホルダーとしても使えるようにする。これならいま以上に売れると思うだが?

2021年11 月15日 (月曜日)

車庫周辺を監視! 1万3800円で入手した防犯カメラを付けてみた!

防犯カメラ1

防犯カメラ2

  ≪監視カメラ≫というと、刑務所の高い壁の上に設けられた自由を束縛する冷酷な黒塗りのマシンをイメージ。あるいは、中国の都市の信号機に設置された市民監視システムを思い浮かべる。
  でも、かつて日本のあちこちにあった家の扉に鍵をかけずに外出したのどかな光景は、神話となった。
  個人的経験で恐縮だが、人通りの多い市街地に引っ越したせいか、先日数年まえ一度空き巣に入られたことが突然フラッシュバックした。不覚にも警戒感が高まり、ふと防犯カメラを自宅ガレージに据えてみようと思いついた。調べてみると、ネットで、わずか1万円そこそこで防犯カメラが手に入る時代。好奇心に駆られ、玄関兼車庫まわりのセキュリティに備え、1台購入した。その顛末を記します。
  いまどきの通販はすごい。注文したら翌日に到着した。カメラ自体は、手のひらに収まるほどの大きさ。内蔵のリチウムイオンバッテリーで駆動するので、充電するタイプだ(電池タイプもあるようだ)。Wi-Fiを介して手持ちのスマホと連動させ、動体が画面に入った場合、すぐさま知らせ、動画をマイクロSDカードに記録するシステムのようだ。新しもの好き筆者としては俄然面白い!
  40ページほどのマニュアルがあるので、それをよく読み込みセットアップと本体取り付けができるはず。
  だが、こうした製品そもそもが中国製なので、日本製品に比べトリセツと本体の“同一性の確認”があいまい。中国語、あるいは英語の翻訳文なので、あいまいな日本語となっているだけでなく、機種変更ほどの設計変更がおこなわれているので、トリセツに齟齬があるわけだ。このへんをふまえ、トリセツを書いた人の気持ちを汲み取りリテラシー能力をフル活用しなければいけない。(余計なお世話だが、中国製の自動車もたぶん同じ難題を抱えているのではと推理できる!)
  とにかくそんなこんなで、セットアップにたどり着くにはずいぶん足踏みしてしまった。その間、発売元に電話を数回かけたり、メールで問い合わせたが、まったく返答がない。このあたりで、投げ出すのが普通かも知れないが、そこからがドラマが始まると信じて、我慢強くトリセツを読み直し、ゴールにたどり着こうとする。
  道が開けたのは10日ほどたったころだ。うまくゆかなかった原因は、ユーザー側の当方にあった。Wi-Fiのパスワードを失念していたというごくごく単純なことだった(バカですね!)。このパスワードを書いた資料を見つけようやくセットアップできたのだ。セットアップできれば、あとは本体を具合いい場所に取り付けるだけ。カメラは330度の超広角だし、スマホ上での操作で上下左右に120度チルトするので、取り付け位置そのものはシビアに考えなくてもいい。
  使い勝手はどうか?
  セキュリティの一手段としては悪くないと思う。
  セキュリティだけではなく、家人の出入りや友人の訪問、宅配便の到着など、リモートで把握できるのは、新鮮で面白い。なにしろ1万円ちょっとで、こうした機器が手に入る時代であることが、エキサイティングだ。
  これって、ひょっとして、いま流行のコトバ“DX”なのではと思った。DXとは「マツコ・デラックス」のデラックスではなく、「デジタル・トランスフォーメーション」。≪デジタル化することでより効率が高まり、生産性が上がる≫、つまりITを導入することで、企業の業務や仕事が飛躍的に効率化する、そのカギを握る手段のひとつ。家庭内でも、こじ付けに聞こえるかもしれないが、いくらかでも労力を軽減するわけだから、当たらずとも遠からず!?

2021年11 月 1日 (月曜日)

パームサイズの1/4インチ・ラチェットハンドル!

SK11

  パームサイズ(PALM SIZE)、「手のひらサイズ」という言葉があるが、今回取り上げる工具は、文字通り「手のひらに収まる超小型ラチェットハンドル」である。正式な製品名は『ビット差替え式スリムラチェットドライバーセットSRD-224』。台湾製で、発売元は、兵庫県三木市の藤原産業(株)だ。SK11シリーズのなかの一つだ。ちなみにSK11という奇妙なブランド名の由来は、炭素工具鋼の品質レベルを示すSK(硬度と靭性などを1~10まで示したもの)の基準を一つ越えた11という意味だそうだ。ココロザシはすごい。
  ところで、この製品、10個のビットが収まる1/4インチ(6.35mm)の樹脂製のホルダーとハンドルを含め、重量わずか71gしかない。非貫通のドライバーよりも軽い。ハンドルの全長もわずか95mmで100mmを切る短さ。左右の切り替えレバー付きで、早回しリングも付いている。ギアのフィールも悪くない感じだ。
  こんなに短いハンドルで、しっかりねじを締めこむことができるのだろうか? 心配が募りそうだが、対する相手のネジ径がせいぜい8mm程度なので、杞憂だ。
  付属のビットは、プラスが1番から3番、マイナスが6mmそしてヘキサゴンレンチが2.5,3,4,5,6mmの5サイズ。それに1/4インチのオス側が付いているので、手持ちの1/4インチのソケットを取り付け、活躍することができる。だから、対するネジの守備範囲はググ~ンと広い。いわばオールマイティなイメージだ。
  実際使ってみると、たしかに振り角が小さい。なにしろ52ギアなので、通常の板ラチェットに比べ使い勝手が高い。ヘッド部の厚みが16mmとごくごく薄いので、従来あきらめていたタイトなところにあるネジでも対応できるのが大アドバンテージ。
  ところが、この極薄ヘッドが、一面使いづらさを露呈するシーンがある。キャブレターなど、手前でカチャカチャとハンドルを回したいとき(つまり相手のネジとの距離感がある時!)に、エクステンションバーが必要となる。
  このエクステンションバーが付いていない。そこで、手持ちの1/4インチのエクステンションバーの出動となる。
  手持ちのエクステンションバーを付けてみると、またまた別の問題が現れた。受け部分がマグネット式だったため、短いビットが奥にしっかり収まり、抜けづらくなったのだ。ラジオペンチでつまみだすしかなかった。このように、便利は一面不便を生み出すのが世の常。そこのところをしっかりと把握するとなかなか便利なツールである。
  もう一つの不満は、収納である。ホームセンターでの購入価格1518円と格安なので、ケースを付けるのは無理かもしれない。とにかく小さいので紛失しやすいので、100円ショップで、適当なケースを見つけてこようと思う。使いうえの注意点としてはハンドルが極端に短いので、ついついパイプをかましたりして使いたがる恐れがある点だ。これをやると、かならずやギアが壊れるに違いない。

2021年10 月15日 (金曜日)

舐めてしまったヘックスボルトも脱着できるヘキサゴンレンチセット!

エキストラクター付き工具1

エキストラクター付き工具2

  エクストラクターの機能を備えたヘキサゴンレンチ9本組みセットである。
  他メーカーにはラインアップしていないハンドツールを意欲的に出している兵庫県三木市にあるスエカゲツールの製品だ。品番は、BPWS-9Sだ。
  いまどきのバイクが特にそうだが、内6角ボルト、つまりヘキサゴンボルトが好んで使われるようになった。いわゆる「皿キャップボルト」と呼ばれる頭部が丸みを帯びたヘキサゴンボルトは、でっぱりが滑らかになるデザインに貢献できるため、とくにバイクのボディやカウル、フェンダー周辺で多く使われている。ヘキサゴンボルトを脱着する工具は、スパナやメガネレンチでは不可能。ヘックスレンチの出番だ。
  ヘックスレンチには、L字型、ソケットタイプ、ドライバータイプ、ナイフ形などいろいろあるが、L字型が一番ポピュラーで、比較的リーズナブルな価格で手に入るため、多数派となっている。L字型は、長手方向に約200mmあるので手が入りづらい、つまり奥にあるキャブレターを脱着するときなど活躍する。(ラチェット機構が付かないので、ややもどかしい感じになるが)
  このL型レンチは、6角の線材を加工するだけ。といっても切断、曲げ、先端部の加工、熱処理、表面処理などの工程があるが、ソケットをつくるうえでの圧入などがないぶん比較的容易にできる。そのためか、数多くの製品が市場に出ている。販売価格も2000~4000円と比較的手に入りやすい価格帯である。
  そこで、選択の決め手は、サイズの豊富さ、ブランド、使い勝手の3つとなる。
  この製品、サイズの豊富さは負けていない。下から1.5,2,2.5,3,4,5,6,8,10と計9種類。一番使用頻度の高いネジ径M8用の6mm、それにねじ径6mmに対応する5mmである。オフロードバイクの場合、転倒による破損や変形で部品の取り外し、取り付け作業が日常的となる。故にボルトの頭部の溝が舐める頻度も高い。こんなとき、このエクストラクター機能が断然有効となる。
  EXTRACTORとは、抜き取り工具、のことである。ネジの頭が破損してもげた場合、鏨(たがね)のようなエクストラクターをハンマーで打ち込み強引に折れたボルトを抜き取る……そんな手法が昔からあるが、このヘキサゴンボルトのエクストラクター機能は、頭部の6角の凹みが舐めた場合、通常のレンチでは役立たない場合、断然役に立つのだ。この工具のミソは、6カ所のうちの角3つを少しえぐっている点(写真)だ。これにより舐めた穴溝でも工具がすんなり入り、トルクをかけられるという寸法だ。
  凄いのは、一番小さなサイズの1.5にまで、この特殊形状を作り込んでいる点だ。なお、長軸側には、ボールポイントタイプにしていて、斜めからボルトにアクセスできるデザインである。使い勝手については、新デザインの樹脂ホルダーがよくできている。向かって左端をスライドさせることで、上蓋が持ち上げられ、必要とするサイズの工具を速やかにピックアップできるのだ。その動きもスムーズにできる。重量は約400gで、価格は3850円だ。

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