みなさん!知ってますCAR?

2021年7 月 1日 (木曜日)

877円のベッセルの「パワーラチェットドライバー」は使えるか?

ベッセルPラチェットドライバーr  ホームセンターの工具売り場をうろついていると、商品にことさらMADE IN JAPANと明記しているモノに行き当たる。5年前、いや10年前まではそんな明記はなかった。
  食品も衣料品もそうだが、“MADE IN (発展途上国)”(台湾や中国がもはや発展途上国ではないかもしれないが)とあると、やはり躊躇したり買い控える客があるから!?
  MADE IN JAPANなら、とりあえず安心材料の一つとして顧客は見ているからだ。ありていに言えば、いまやMADE IN JAPANという文字自体が、“水戸の黄門さんの印籠”みたいなものなのかもしれない。極太文字のメッセージ!
  MADE IN JAPANなら、レイバーレイトが高いぶん、少しお高くなりますが、よろしいですね、みたいなエクスキューズがともなうこともある。
  でも、工具のドライバーに関しては、よほど付加価値(あるいはブランド力)がない限り、MADE IN JAPANであろうが低価格でないと売れない。ドライバーは数が多く出るのと競争が激しいので、1000円以下でないと売れないからだ。
  ということは逆に言えば、ユーザーサイドから見て、MADE IN JAPANのドライバーはお買い得ともいえる。
  今回取り上げる『パワーラチェットドライバーTD-81R』は、ベッセル製だ。
  ベッセルは、間違いなく老舗工具メーカーだが、KTCやKO-KENほどのブランド力は、認められてはいない。ベッセルは、なぜか、この2社のようなプレミアムブランドを出していないことが、大きいようだ。ベッセルは微妙な立ち位置なのだ。
  そこで、ホームセンターで勝負する場合は、価格を抑えざるを得ないということらしい。これ、なんと877円だ。スタビタイプで、しかもラチェット機構を組み込み、ハンドル部に装着するビット2個付きだ。ビットは、両頭タイプで、プラス1番とマイナス4㎜、それにプラス2番とマイナス6㎜(マイナスのmmは刃の長さを指す)。ギア数は、20ギアで多くはないが、本締めできる。左右に切り換えは、黒いリングを左右に動かすことで変えられる。重量100g。
  先端ビットは、1/4インチなので、手持ちのビットが使えるのも便利だ。で、結論は? 買って後悔しない商品といえる。

2021年6 月15日 (火曜日)

マグネタイザーは意外と便利。 使うべし!

マグネタイザー  マグネタイザーという商品をご存じだろうか?
  工具の先端部をあっという間に、磁力を帯びさせる小道具である。写真にあるように手のひらサイズの製品である。プラス側の穴に工具の先端を差し込む。説明書には数回とあるが、1回2回の往復で、先端部に磁力を帯び、取り付けようとするビスが工具の先端からポロリと落下するなんて厄介な事態を避けることができる。とても便利だ。
  逆に、磁力を消すこともできる。
  マイナス側の穴に、工具の先端部を差し込目が、あら不思議さっきまでの磁力がなくなり、あっけなく普通の状態となる。
  これって、何度やっても、同じように効果が現れる。ただ、期待するほどの強力な磁力ではない。写真のヘキサゴンレンチはサイズ6㎜だが、相手のM8ボルトになるとやや重いので、かろうじてくっついている感じ。M5とかM6ボルトならもっと安心してくっついてくれる感じである。簡単にマグネット式のドライバーやヘキサゴンレンチに変えられるところがミソだ。
  磁力を得ることを「着磁」とか「帯磁」といい、逆に磁力をなくすことを「消磁」とか「脱磁」というそうだ。
  原理は、小学校の理科の時間にやった実験と同じだ。つまり磁石にくぎをこすりつけると、釘自体にも磁力を帯び、まわりの安全ピンなどをくっつけた経験があると思う。あれと全く同じだ。難しい理屈は、理科の教科書にまかせるとして、わずか数百円で手に入る。写真の製品は、品番SMT01B。台湾製で藤原産業株式会社〈℡0794-86-8200〉扱い。ホームセンターで690円+税だった。
  長さ50㎜×幅20㎜×奥行き12㎜と極めてコンパクト。工具箱に入れておいて邪魔にならない。お勧めだ。

2021年6 月 1日 (火曜日)

洗練されたハンドルフォルム」は本当か? 中国製ドライバー!

格安ドライバー2本1

格安ドライバー2本2

  いまや工具業界は、戦国時代たけなわである。
  国産のブランドを誇る工具、輸入ブランドの工具、それに台湾製もしくは中国製の工具。この3つがしのぎを削る状態が、ここ数年続いている。なかでも台湾製の工具が、低価格を維持しながら、ぐんぐんクオリティを高めていっている。これは、日本の商社などの厳しい要求とモノづくりの注文が功を奏しているからだと思われる。
  とりわけ、ドライバーの世界が煮えたぎっているように見える。
  今回近くのホームセンターで、手に入れたプラス2番とマイナス6㎜、2丁セットで価格437円というのは中国製とはいえ、正直たまげた。百均で手に入れたのではなく、正真正銘ホームセンターである。この値段でよくエンドユーザーに販売できるのが不思議だ、という印象だ。しかも、キャッチコピーには「洗練されたハンドルフォルムでねじを回す」とあり、いかにも自信ありげ。
  ここでふと、こんなことを考える。…‥なんだか、安くて低価格を続ける食品の優等生アイテムが卵(スーパーでは10個200円台!)だとすると、ネジ回し、もといドライバー(正確にはスクリュードライバーというのだが)は、工具界の“卵10個売り”に近いのではないだろうか?
  さっそく使ってみた。手に持ちあれこれいじってみる。
  ひとことで言えば、死角がないかに見える。全長は200㎜でごく標準。非貫通ドライバーをこれまで30ブランドほど試してみたが、遜色なしだ。重量はたいてい90~115gに入っているが、これは87gと軽い部類で好ましい印象。そして何よりいいのは、グリップの出来だ。硬い樹脂をコアに配し、外皮には手になじみやすいやや柔らかめの樹脂を組み合わせたハイブリッドタイプ。丸型は、個人的にはあまり好きではないが、手にするとよくできている。指に収まるレイアウトがこころにくいほどによくデザインされているのだ。見た目のデザイン性と機能上のデザインがバッティングしない。軸の根元にスパナがかませるようなデザインもある。
  丸型ドライバーは作業台のうえで転がる恐れがある。という反論にも丸部分を一部そぎ落とし、ソフトグリップとハードグリップとの距離をとるなどでぎりぎり対応している。
  …‥それにしても、何度も言うようだが、これで2本セットで500円足らずで販売できる、というのは、相当数が出る製品だからだ。食品の“卵10個”なみに販売する!? ドライバーは、メガネレンチやソケットツールにくらべ、一桁販売数が多いからだと思う。金型でグリップを成形し、軸部の加工も大量生産システムが構築されている。このドライバーを眺めていると、そんな舞台裏までもが見えてくる。
  発売元は兵庫県三木市の藤原産業(株) ℡0794-86-8200。商品名は「ガルボールグリップドライバー2本組み」。

2021年5 月15日 (土曜日)

「多機能ホームペンチ」って使えるの!?

ホームペンチ1

ホームペンチ2

  人は自分の欠点は棚に上げ、ついつい身近な人には過大な要求を求めがちになるものだ。
  「この道一筋の職人肌をリスペクトする」その舌の根も乾かぬ間に、「作詞して謳って、踊れて演技までするマルチなタレント」にあこがれる。人間とは、そんな矛盾した存在が人なのかもしれない。
  これって「マルチ工具」を求める気持ちとどこか似ていなくもない。単能工具にひたむきさを見るか、マルチツールに見果てぬ万能感を宿すか? 
  今回取り上げる工具は、後者である。
  「多機能ホームペンチ」である。家庭内で活躍をになう(・・・・ことを目指す!)万能ペンチ。つかむ・切る・皮むき・かしめる、この4役を一つの工具でやってしまおうというのがこの工具。
  まず、じっくり眺めてもらいたい。先端部はたしかにペンチである。ところが、通常のペンチの上下のあご(ジョー)の隣には配線の端子をかしめられるようにウエーブ状に加工してある。そしてピポッド部(上下のあごが交差するところ)をよく見ると、意味ありげな小さな穴が4つか5つある。4㎜までの小さなボルトを切断することもでき、φ3㎜までの針金を切断するための穴がしつらえているのだ。
  その下のハンドル部にズームインしてみよう。
  上下のあごにスラント状に小穴の半円が向き合っている。配線の被覆を剥くとき使うワイヤーストリッパーである。径が1㎜、1.5㎜、3㎜、5㎜、そして7㎜の配線の被覆を除去する機能だ。
  そして最後に、ハンドル部の内側が円弧状になっていて、ジャムの瓶を開けるときに重宝する役割となっている。
  なるほど、これは使える感じがしてくる。一家に1丁! と言いたくなりそうだが、待てよ! このペンチ、やや重すぎないか?! 実測すると、122gもある。全長は200㎜。男性はともかく女性(主婦)が使うには、やや重い感じがする。しかも色が黒づくめ。クルマだって、自分好みのカラーがないと買いたくない女性ドライバーがいるのだから、黒づくめはいかがなものか?
  この工具、ひとつ不明な箇所があった。ハンドル根元に小さなレバーがあり、これを動かすことで、先端部のあご幅に1㎜ほどの隙間を生じさせる。針金をねじるときに、使う! とあるが、その意図がよくわからない。アゴ幅にある一定のクリアランスが必要なのだろうか? ちなみに、ホームセンター価格は1813円だった。

2021年5 月 1日 (土曜日)

3300円足らずで手に入れたタイヤ空気圧監視システムTPMSを試す!

TPMS1

TPMS2

TPMS3

  若いころ雑誌の編集記者をやっていたおかげで、“読者に替わって“という触れ込み(というか殺し文句?)で、怪しげな商品を実際試してみることを、こよなく愛する性癖がある。これって、安物買いの銭失い、につながりかねないのだが、反面、好奇心を満足させる絶好の行為でもある。
  とまぁ、理屈はさておき、ちかごろネット販売で多く出回っている「TPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム)」(タイヤ空気圧監視装置)を手に入れた。運転席からタイヤの状態を見張ることができる便利用品だ。
  そもそもこのTPMS,いまから10数年前に登場したときは、トラックやバスなどの働くクルマの専用品であった。
  お金を稼ぐクルマなら、日々タイヤの管理の負担が少なくなるのは、大歓迎だ。だから価格は、数十万ほどして、とても自分の乗用車に付けられる用品ではなかった。ところが、この垂涎だった用品がいつの間にやら、いろいろなメーカーがつくり始め、ついには中国製の格安品も登場している・・・・というのが今日この頃だ。
  今回ネットで手に入れたのも3280円とウソみたいな低価格。出始めから見れば1/10以下だ。
  この製品、手のひら2つ分ほどの小さな箱に収まっている。おもな内容物は、タイヤのバルブに取り付けるセンサー4個、液晶のモニター部(人差し指にのるほどの小ささ)、それに専用のレンチ(スパナ)と充電用のコード1本。
  電源はどこから採るのか? モニターの裏側にある小さなソーラーパネルからだ。センサーからどんな手段で情報をモニターに表示するのか? ブルートゥース通信による! 
  さっそく取り付けてみることにする。
  まず、前後左右のタイヤのバルブキャップの替わりにセンサーを取りつける。運転席から見て、反時計回りでFR,FL,RL,RRとあるので、その通り取りつける。詳しく言うと‥‥前後左右のタイヤのバルブキャップを取り外し、付属の専用ワッシャー(2面幅13㎜)を取り付け、しかる後にセンサーをねじ込み、先のワッシャーといわゆるダブルナットで緩み止めとする(写真)。このことで、本製品のトリセツには“盗難防止”と謳うのだが、ちょっと違うのでは?! ちなみに、取扱説明書は、日本語の裏側に英文バージョンがある。日本語版は、英文の自動翻訳しっぱなしの“あるまじき日本語”の羅列で、ところどころ意味不明。
  4個のセンサーを取り付けたあとは、モニター部をフロントガラスに付属の両面テープを用いて貼り付けるだけだ。モニターの取り付け方法は、フロントガラスとインパネの上でもどちらでもOK。シガーライターから電源を取る必要がないので実に簡単だ。
  作業時間は約15分。アルミホイールなら、たぶん10分かからないかも。今回は、ホイールカバー付きのクルマなので、いちいちホイールカバーをマイナスドライバーでこじって取り外さないといけない。そうでないと、専用ワッシャーを取り付けられないし、いわゆるダブルナット状態にもできないのだ! 
  取り付け後、数日使ってみた。
  その感想は、「なるほどね……価格のわりにはよくできているオモチャっていう感じ。役割の空気圧はとりあえず表示してくれているようだが、あてになるのかな、これ? という感じ。空気圧が1.8バール以下になるとブザーで教えてくれるというのが、どうだかな…という感じ」。“感じ”というのが続き、なんだか心もとない印象だが、とにかく、そんな感じの製品でした。
  いま一番気になるのが、空気圧が低下したとき、空気を充填する際、またホイールカバーを取り外し…‥という作業をやる必要がある。これが面倒だ! それと、どのくらい長く使えるか? それが問題だ。

2021年4 月15日 (木曜日)

ラチェット式メガネレンチに見る機能と価格!

超ロングダブルフレックスロックギアレンチ1

超ロングダブルフレックスギアレンチ2

  誤解を恐れず言えば、手工具(ハンドツール)の世界は、超ブランド・ワールドである。
  百均で手に入る、かなり怪しい感じのお手軽ドライバーやメガネレンチ、ペンチなどもある。でも、少し真面目に整備しようとすると名の通ったブランド品を手にすることになる。自動車やバイクと同じで、20年前や30年前のような、あまりの不出来でひどい目にあうということはまずありえない。
  押し並べて、品質が高くなり、信頼耐久性についても裏切られることはまずない。
  となると人間社会は、ブランドで差をつけるしかなくなる。成熟社会になると、学歴を重要視する人が増えるのと同じだ。人となりをじっくり観察して、判断するという手順をスルーして、いわば思考停止しがち。
  今回取り上げるSEK製の「超ロング・フレックスギアレンチ」(LDFL1012)をあれこれ使ったり、調べていくと、そんな疑問にぶち当たった。
  製品そのものは、既存の機構を存分に投入した意欲的な工具だ。290㎜という長めの全長の両端には、72ギアのラチェットを組み込み、しかも首振り式にしている。首振り機構にも、ワンタッチで角度を固定するメカを取り入れ、使い手のことを考えたデザイン。表面の仕上げも、鏡面加工だし、重量も153gと抑えたもので、いろんな機構を盛り込んだわりには、破綻していない好感の持てるツールだ。
  ただし、価格が、7500円(あくまでも売値だが)というのは驚く。14-17㎜の品番LDFL1417は、9000円。SEKといえば安い割にはよくできた工具、という印象だったが、機能を念頭においても少しお高い感じを受ける。
  そこで、スナップオンやKTCの類似品の価格を調べてみた。
  まったく同じ機構のものはないようだ。KTCには、両端同じサイズで、片側だけにラチェット機構を持たせ、もう片側は通常のソリッドタイプというのがあり、7000円ほどだ。スナップオンは、通常のロングタイプのメガネレンチ(品番がXDHFM1012)で価格がやはり7000円代(並行輸入品だが)だった。ちなみに、スナップオンの凄味は、6-7㎜から8-9,8-10,10-11,10-12,12-13、14-15,14-17,17-19,21-22,22-24㎜と実に他を圧するサイズの豊富さだ。
  ‥ということは、当たり前のことだが、このへんの価格を横目で見ながら、SEKでは、価格を決めていることが推測できる。
  「機能上は完全にこちらが優位! これなら、ほぼ同じ価格で勝負できる!」そう値付け担当者は読んだのかもしれない。むろん、SEKも高いブランド力を得るべく、高い性能の工具を積み重ねているが。
  一方ユーザーはどうとらえるのか?
  ブランド優先なのか? それとも機能重視なのか? つねに身に付ける衣服や手で直接握る工具(あるいは手の延長である工具!)は、取り立ててブランド重視になりがちの商品だ。なかには、ブランドに自分を同化する人もいるほど。見栄と自己満足の世界!
  ここは“このネジ、取り外せるかどうか!?”の瀬戸際。工具の本分を考えれば、機能重視の商品を選択するのが本筋だ。(余裕があれば、いろいろ買い揃え、こうした悩みに頭を抱えることはない!)

2021年4 月 1日 (木曜日)

1本で8つのサイズのボルトを回せる工具とは?

8in1りバ-スラチェットレンチ

8in1リバースラチェットレンチ

  ハンドツールの嚆矢(こうし)は、スナップオンが発明したソケットツールのルーツ“エクスチェンジャブル・レンチ”というのがもっぱらの定説だ。
  たしかに、1本のラチェットハンドルがあれば、必要とするコマである「ソケット」と組み合わせれば、ありとあらゆるボルトやナットに対応できる。文字通り画期的発明品で、T型フォードの爆発的販売を後押しした“陰の功労者”といってさほど間違いではない。
  そこで今回取り上げるのは、「ソケットといった駒などいらない! それだけで8つのサイズのネジを回せるのだ」と主張する工具だ。アイディア工具目が離せない兵庫県三木市にあるSEK(スエカゲツール)の製品だ。製品名は「8in1 リバースラチェットレンチRWG-8A」。いうまでもなく“8in1”のなかに、1丁で8つのサイズに対応という意図が込められている。
  さっそく手に持ち、使ってみた。
  手にすると、重い感覚だ。メジャーと秤で身体検査すると、全長240mm、重量297g・・・・相当長く、相当重い。
  通常の差し込み角3/8インチのラチェットハンドルが200㎜、200gあたりなので、これにくらべ約1.4倍ほど。差し込み角1/2インチのラチェットとほぼ同じ長さと重さと思ってもらっていい。ボルトの対応サイズ、正確にはボルトの頭の2面幅は、下から8,10,12,13,14,15,17,19mmと8サイズ。13と15はあまり遭遇しないが、ほかはかなりポピュラーなサイズ。
  それにしても、レンチの両端のそれぞれ、4つのサイズの駆動部を持つレンチ。普通ではありえない。どこに秘密、あるいはマジックが隠されているのだろう?
  使ってみてしばらくは、頭のなかに疑問符が浮かぶだけで、判らなかった。が、あれこれ動かしてみると、なるほどね! とばかり発見した。
  駆動部が外周部(黒色)と内周部(シルバー)の2つで構成され、内周部の駆動リングが、スラスト方向にスライドできるようになっているのだ(写真)。もちろん左右の切り替えレバーも付いている。ギア数は90ギアなので送り角はなんと4度。動きもとてもスムーズだ。込み入った構造にもかかわらず、価格は5,600円とリーズナブル。
  結論は如何?
  頭部がでかくため、クルマやバイクの整備にはあまり向かないように思える。実際エンジンルームや車体回りのネジをあたると、目に見えるネジの約8割は、使えそうなサイズばかり。やはり、ソケットツールのようにエクステンションバー的役割ができないので、奥まったところにあるボルトやナットは回せない。まさに痒いところに手が届かない、もどかしい思いを強いられる・・・・まさに隔靴掻痒(かっかそうよう)なのである。
  でも、この〈スライド式機構〉を取り出し応用すれば、さらなる夢のある工具ができそうな予感がする!?

2021年3 月15日 (月曜日)

これは使える!? エクステンションバーにもなるT型レンチ

T型スライドハンドル1

T型スライドハンドル2

T型スライドハンドル3

  今回取り上げるのは、三木市の藤原産業が販売している差し込み角1/4インチの「T型スライドソケットハンドル」(品番STS-220S)である。ホームセンターでの購入価格は、消費税込みで、940円ほどでした。
  台湾製ではあるが、ズバリ言えば、お買い得感たっぷりだった。
  通常、T型レンチはよく知られるようにバイクの整備に都合がよくできている。バイクは縦長なので、横からTレンチで、相手のネジに対峙するのがとても具合がいいからだ。だから、バイク屋さんをのぞくと、Tレンチがしょっちゅう活躍している光景がみられるはず。
  逆に、クルマの場合、たとえばエンジンルームにあるネジを脱着することを考えると、Tレンチは伸びをする感じになるので不利になる。でも、斜め横からなら十分活躍できる。シルバーのカラーが軸についているので、指ひとつでクルクル回せられ、実に軽やかに、スピーディにネジを緩めたり、締めたりできる。もちろんT型で締めることもできるし、ハンドルをどちらかに寄せてL字型レンチでより強い締め付けをすることもできる。
  この製品は、Tレンチだけで終わらない。ここがユニークなところだ。
  ハンドル部と軸部分を取り外すと、軸部が全長200㎜のエクステンションバーになるのだ。ジャジャジャ~ンとばかり、もう一つの顔が姿を現した感じ!?
  ハンドル部を取り外すし、頭部を見ると1/4インチの差し込み角部があるのだ(写真)。そこへ1/4のラチェットハンドルを取り付けることができる。手が入りづらい奥にあるネジを、楽に緩めたり締めたりすることができる。
  そして、先端部のソケットを付ける部分をズームインしてもらいたい(写真)。KO-KENなどのエクステンションバーでずいぶん前から採用されている2段階差し込み方式だ。つまりストレート(固定)でも首振り、どちらでも選択できる、便利な機能が付いている。製造の立場に立つと、通常のモノづくり工程に比べ2工程ほど多くなり、その分コストが上がる。でも、実際使うとストレート(固定)」にした場合、ソケットとの間にガタがあるのが気になった。
  いつも思うのだが、T型レンチは、ガレージで管理している工具たちととらえれば、問題ない(たとえばツールボードにぶら下げるとか、レールに差し込むとか)が、限られた大きさの工具箱に収納すると少し厄介。
  というのは、その形ゆえに、ほかの工具と絡んで、必要工具を探すときに邪魔になるのだ。でも、この製品は、軸とハンドルバーが分離できるので、繰り返し使えるリピートタイプの結束バンド(タイラップ)、あるいは百円ショップで手に入るマジックテープで、縛り付ければ、片方を紛失することなく、整頓も楽になるハズ。ところが相手は表面がメッキされているため滑りやすい。そこで、ホームセンターで手に入れた手持ちのチューブ状のゴム保護素材を活用してみたら偶然にもうまくいった。百均で手に入る幅広のパンツのゴム(?)あたりでも大丈夫だと思う。ちなみに、重量は133g、全長は200㎜。

2021年3 月 1日 (月曜日)

IPSのコンビプライヤーは、ガタが少なく軽量が美点だが・・・・!?

IPSコンビプライヤー  長いあいだクルマやバイクの標準工具として“付録で付いてくるコンビネーションプライヤー”は、「この程度のものじゃない!?」という、いわば自嘲とあきらめがにじむ黄昏のツールだった。なにしろ、ガタが大きく、握ったときのココロがいまひとつ定まらない感じだし、表面処理もざらざらして、少しも愛着を感じない。・・・・それでも仕方なく使っていたのは、付録でタダで付いてきている(本当は車両価格に含まれるのだが)から。
  だからして逆説的に・・・・ドイツのクニペックスが輝いて見えるのかもしれない!?
  ここをなんとかせんと・・・・いけない! 今回取り上げるプライヤーはそんなモノづくり側のココロザシが、ほのかに見える製品である。新潟の五十嵐プライヤーIPSの製品である。品番がLPH-165である。
  このコンビプライヤーは、クニペックスとは正面対決を避けている。グイグイ使い込み、プロのメカニックの相棒として、いい仕事を支えるプライヤーがクニペックスだとすると、こちらは、ソフトタッチなのである。アゴ部分に樹脂のカバーを付け、つかむ相手にとてもやさしいのである。これなら、メッキ品をつかんでも、化粧ナットをつかんだ時も、相手がプラスチックで弱っちいものでも、とにかくキズが付きずらい。だから、あらかじめ、保護目的にウエスを軽く巻き付け、用心深くつかみかかる…‥なんて忖度(心遣い)をしなくても大丈夫。
  そしてこのコンビレンチのいいところは、ガタがまるでない。従来のコンビプライヤーの悪評を吹き払う。
  それに軽量だということ。実測128gである。数値的には従来品の約3割軽い。実際手に持つとフィーリングとしては約半分の重さだ。ということは、バイクのツーリングのお供工具の仲間入りを許してもいいかもしれない。
  あえて、不満なところをあげると、グリップがやや貧相なところ。それと全体のデザインももう一工夫してもらうと、購入価格1738円がお買い得プライスと認識できるのだが。それと商品のパッケージは、魅力があるが、商品名が意味不明に近い。「ワンタッチソフトコンビ」なのだから。

2021年2 月15日 (月曜日)

ホームセンターオリジナルのコンビレンチ?

ビバホームのコンビレンチ1

ビバホームのコンビレンチ2

  工具業界も10年前は、考えられなかったほど、いつの間にか輸入工具が日本市場に進出している。ざっくり言えば中国製は、安かろう悪かろうで、百均の売り場でも手に入るもの。
  だが、台湾製はけっして侮れない工具が多くなった。たぶん、日本のバイヤー(販売元)が、台湾の工具メーカーにオーダーするカタチで商品化しているからだ。早い話日本人のテイストが入っている、たぶん。台湾の工具メーカーは、(10年ほど前取材したところによると)たいていは家族経営で、規模はせいぜいスタッフ10~30名ほど。なかには中国に工場を持つところもある。
  とにかくモノづくりの技術も高まり、日本のユーザーに満足を与えるクオリティの高い製品づくりを短期間でつくり上げるレベルまで高まっている。そのため、従来の日本の工具メーカーだけでなく、体力のある日本のホームセンターも、台湾製のオリジナル製品を日本で販売し始めている。今回取り上げるコンビネーションレンチも、そのひとつだ。
  ところが、この工具、不思議なことに、製品名はどこにもない。品番もない。シールには大きな文字で「ラチェットレンチギア式」とあるだけ。まさかこれが商品名とは思えない。
  ただ、輸入販売元はしっかり明記してある。㈱LIXILビバ(スーパービバホーム)である。埼玉県さいたま市に本社があり、全国に104店舗を展開するホームセンターである。
  今回取り上げたのは、軸の部分に大胆にも軽量化のための穴が開いているコンビネーションレンチである。メガネ部はラチェット式になっていてギア数が72とこまやかで、スムーズだ。ギアの音も心地よい。ブランド名も品番もないのが、不気味な気分を醸し出すのだが、CHROME VANADIUM(クロームバナジウム製)とサイズの12が明確に表示しているがなんとも変だ。
  う~ん、これを深読みすると、ラベルさえ張り替えれば、どこのバイヤーにも卸せるからなのか? 
  とりあえずいつものように、身体検査をしてみた。
  といってもこの場合は、全長をはかるのと重量を測定するだけだ。長さが200㎜で重さは79gだった。これまで累計30数ブランドほどのコンビレンチ(サイズはみな12㎜)を手に取ってみて、データを採取している。
  これに照らし合わせると通常は170㎜ぐらいで重さ70~80gなので、今回の台湾製は普通よりも1割強長い部類。長いということはそれだけ大きなトルクがかけられるが、工具箱のなかで邪魔になる側面を持つ。重量は穴あきのわりには平均値。見掛け倒しともいえなくもない。
  ところが、何度も触り、使うと悪くない面を発見した。角が滑らかなのだ。手に触れる感触が悪くない。そして、軽量化のための凹みが、実はトルクをかけるときの指の滑りをカバーしてくれる、そんな狙いも発見した。それにしてもブランド名がないのが、なんとも恨めしく感じた。価格は、12㎜で、998円だった。
  この記事を書いた翌日、念のためビバホームの本社に電話(フリーダイヤル0120-87-1146)で聞いたところ、面白いことが分かった。「この商品は、横浜の長津田店でしか販売していないもので、そのためHPで写真が載っていません。えっ、商品名が書いていない? これは失礼しました。実は、こちらでは、“ラチェットレンチ軽量タイプ”と社内で呼んでいます。ラベルと本体に商品名がないのは、たしかにお客様に不信感を抱かせるので、担当者に伝えておきます。…‥貴重なお話、ありがとうございます。ちなみにサイズは、8,10,12,13,14,17,19㎜があります」とのことだった。おそらく、長津田の担当者が商社的なゲリラ・ビジネスで、手に入れ販売している商品のようだ。

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