みなさん!知ってますCAR?

2021年5 月 1日 (土曜日)

3300円足らずで手に入れたタイヤ空気圧監視システムTPMSを試す!

TPMS1

TPMS2

TPMS3

  若いころ雑誌の編集記者をやっていたおかげで、“読者に替わって“という触れ込み(というか殺し文句?)で、怪しげな商品を実際試してみることを、こよなく愛する性癖がある。これって、安物買いの銭失い、につながりかねないのだが、反面、好奇心を満足させる絶好の行為でもある。
  とまぁ、理屈はさておき、ちかごろネット販売で多く出回っている「TPMS(タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム)」(タイヤ空気圧監視装置)を手に入れた。運転席からタイヤの状態を見張ることができる便利用品だ。
  そもそもこのTPMS,いまから10数年前に登場したときは、トラックやバスなどの働くクルマの専用品であった。
  お金を稼ぐクルマなら、日々タイヤの管理の負担が少なくなるのは、大歓迎だ。だから価格は、数十万ほどして、とても自分の乗用車に付けられる用品ではなかった。ところが、この垂涎だった用品がいつの間にやら、いろいろなメーカーがつくり始め、ついには中国製の格安品も登場している・・・・というのが今日この頃だ。
  今回ネットで手に入れたのも3280円とウソみたいな低価格。出始めから見れば1/10以下だ。
  この製品、手のひら2つ分ほどの小さな箱に収まっている。おもな内容物は、タイヤのバルブに取り付けるセンサー4個、液晶のモニター部(人差し指にのるほどの小ささ)、それに専用のレンチ(スパナ)と充電用のコード1本。
  電源はどこから採るのか? モニターの裏側にある小さなソーラーパネルからだ。センサーからどんな手段で情報をモニターに表示するのか? ブルートゥース通信による! 
  さっそく取り付けてみることにする。
  まず、前後左右のタイヤのバルブキャップの替わりにセンサーを取りつける。運転席から見て、反時計回りでFR,FL,RL,RRとあるので、その通り取りつける。詳しく言うと‥‥前後左右のタイヤのバルブキャップを取り外し、付属の専用ワッシャー(2面幅13㎜)を取り付け、しかる後にセンサーをねじ込み、先のワッシャーといわゆるダブルナットで緩み止めとする(写真)。このことで、本製品のトリセツには“盗難防止”と謳うのだが、ちょっと違うのでは?! ちなみに、取扱説明書は、日本語の裏側に英文バージョンがある。日本語版は、英文の自動翻訳しっぱなしの“あるまじき日本語”の羅列で、ところどころ意味不明。
  4個のセンサーを取り付けたあとは、モニター部をフロントガラスに付属の両面テープを用いて貼り付けるだけだ。モニターの取り付け方法は、フロントガラスとインパネの上でもどちらでもOK。シガーライターから電源を取る必要がないので実に簡単だ。
  作業時間は約15分。アルミホイールなら、たぶん10分かからないかも。今回は、ホイールカバー付きのクルマなので、いちいちホイールカバーをマイナスドライバーでこじって取り外さないといけない。そうでないと、専用ワッシャーを取り付けられないし、いわゆるダブルナット状態にもできないのだ! 
  取り付け後、数日使ってみた。
  その感想は、「なるほどね……価格のわりにはよくできているオモチャっていう感じ。役割の空気圧はとりあえず表示してくれているようだが、あてになるのかな、これ? という感じ。空気圧が1.8バール以下になるとブザーで教えてくれるというのが、どうだかな…という感じ」。“感じ”というのが続き、なんだか心もとない印象だが、とにかく、そんな感じの製品でした。
  いま一番気になるのが、空気圧が低下したとき、空気を充填する際、またホイールカバーを取り外し…‥という作業をやる必要がある。これが面倒だ! それと、どのくらい長く使えるか? それが問題だ。

2021年4 月15日 (木曜日)

ラチェット式メガネレンチに見る機能と価格!

超ロングダブルフレックスロックギアレンチ1

超ロングダブルフレックスギアレンチ2

  誤解を恐れず言えば、手工具(ハンドツール)の世界は、超ブランド・ワールドである。
  百均で手に入る、かなり怪しい感じのお手軽ドライバーやメガネレンチ、ペンチなどもある。でも、少し真面目に整備しようとすると名の通ったブランド品を手にすることになる。自動車やバイクと同じで、20年前や30年前のような、あまりの不出来でひどい目にあうということはまずありえない。
  押し並べて、品質が高くなり、信頼耐久性についても裏切られることはまずない。
  となると人間社会は、ブランドで差をつけるしかなくなる。成熟社会になると、学歴を重要視する人が増えるのと同じだ。人となりをじっくり観察して、判断するという手順をスルーして、いわば思考停止しがち。
  今回取り上げるSEK製の「超ロング・フレックスギアレンチ」(LDFL1012)をあれこれ使ったり、調べていくと、そんな疑問にぶち当たった。
  製品そのものは、既存の機構を存分に投入した意欲的な工具だ。290㎜という長めの全長の両端には、72ギアのラチェットを組み込み、しかも首振り式にしている。首振り機構にも、ワンタッチで角度を固定するメカを取り入れ、使い手のことを考えたデザイン。表面の仕上げも、鏡面加工だし、重量も153gと抑えたもので、いろんな機構を盛り込んだわりには、破綻していない好感の持てるツールだ。
  ただし、価格が、7500円(あくまでも売値だが)というのは驚く。14-17㎜の品番LDFL1417は、9000円。SEKといえば安い割にはよくできた工具、という印象だったが、機能を念頭においても少しお高い感じを受ける。
  そこで、スナップオンやKTCの類似品の価格を調べてみた。
  まったく同じ機構のものはないようだ。KTCには、両端同じサイズで、片側だけにラチェット機構を持たせ、もう片側は通常のソリッドタイプというのがあり、7000円ほどだ。スナップオンは、通常のロングタイプのメガネレンチ(品番がXDHFM1012)で価格がやはり7000円代(並行輸入品だが)だった。ちなみに、スナップオンの凄味は、6-7㎜から8-9,8-10,10-11,10-12,12-13、14-15,14-17,17-19,21-22,22-24㎜と実に他を圧するサイズの豊富さだ。
  ‥ということは、当たり前のことだが、このへんの価格を横目で見ながら、SEKでは、価格を決めていることが推測できる。
  「機能上は完全にこちらが優位! これなら、ほぼ同じ価格で勝負できる!」そう値付け担当者は読んだのかもしれない。むろん、SEKも高いブランド力を得るべく、高い性能の工具を積み重ねているが。
  一方ユーザーはどうとらえるのか?
  ブランド優先なのか? それとも機能重視なのか? つねに身に付ける衣服や手で直接握る工具(あるいは手の延長である工具!)は、取り立ててブランド重視になりがちの商品だ。なかには、ブランドに自分を同化する人もいるほど。見栄と自己満足の世界!
  ここは“このネジ、取り外せるかどうか!?”の瀬戸際。工具の本分を考えれば、機能重視の商品を選択するのが本筋だ。(余裕があれば、いろいろ買い揃え、こうした悩みに頭を抱えることはない!)

2021年4 月 1日 (木曜日)

1本で8つのサイズのボルトを回せる工具とは?

8in1りバ-スラチェットレンチ

8in1リバースラチェットレンチ

  ハンドツールの嚆矢(こうし)は、スナップオンが発明したソケットツールのルーツ“エクスチェンジャブル・レンチ”というのがもっぱらの定説だ。
  たしかに、1本のラチェットハンドルがあれば、必要とするコマである「ソケット」と組み合わせれば、ありとあらゆるボルトやナットに対応できる。文字通り画期的発明品で、T型フォードの爆発的販売を後押しした“陰の功労者”といってさほど間違いではない。
  そこで今回取り上げるのは、「ソケットといった駒などいらない! それだけで8つのサイズのネジを回せるのだ」と主張する工具だ。アイディア工具目が離せない兵庫県三木市にあるSEK(スエカゲツール)の製品だ。製品名は「8in1 リバースラチェットレンチRWG-8A」。いうまでもなく“8in1”のなかに、1丁で8つのサイズに対応という意図が込められている。
  さっそく手に持ち、使ってみた。
  手にすると、重い感覚だ。メジャーと秤で身体検査すると、全長240mm、重量297g・・・・相当長く、相当重い。
  通常の差し込み角3/8インチのラチェットハンドルが200㎜、200gあたりなので、これにくらべ約1.4倍ほど。差し込み角1/2インチのラチェットとほぼ同じ長さと重さと思ってもらっていい。ボルトの対応サイズ、正確にはボルトの頭の2面幅は、下から8,10,12,13,14,15,17,19mmと8サイズ。13と15はあまり遭遇しないが、ほかはかなりポピュラーなサイズ。
  それにしても、レンチの両端のそれぞれ、4つのサイズの駆動部を持つレンチ。普通ではありえない。どこに秘密、あるいはマジックが隠されているのだろう?
  使ってみてしばらくは、頭のなかに疑問符が浮かぶだけで、判らなかった。が、あれこれ動かしてみると、なるほどね! とばかり発見した。
  駆動部が外周部(黒色)と内周部(シルバー)の2つで構成され、内周部の駆動リングが、スラスト方向にスライドできるようになっているのだ(写真)。もちろん左右の切り替えレバーも付いている。ギア数は90ギアなので送り角はなんと4度。動きもとてもスムーズだ。込み入った構造にもかかわらず、価格は5,600円とリーズナブル。
  結論は如何?
  頭部がでかくため、クルマやバイクの整備にはあまり向かないように思える。実際エンジンルームや車体回りのネジをあたると、目に見えるネジの約8割は、使えそうなサイズばかり。やはり、ソケットツールのようにエクステンションバー的役割ができないので、奥まったところにあるボルトやナットは回せない。まさに痒いところに手が届かない、もどかしい思いを強いられる・・・・まさに隔靴掻痒(かっかそうよう)なのである。
  でも、この〈スライド式機構〉を取り出し応用すれば、さらなる夢のある工具ができそうな予感がする!?

2021年3 月15日 (月曜日)

これは使える!? エクステンションバーにもなるT型レンチ

T型スライドハンドル1

T型スライドハンドル2

T型スライドハンドル3

  今回取り上げるのは、三木市の藤原産業が販売している差し込み角1/4インチの「T型スライドソケットハンドル」(品番STS-220S)である。ホームセンターでの購入価格は、消費税込みで、940円ほどでした。
  台湾製ではあるが、ズバリ言えば、お買い得感たっぷりだった。
  通常、T型レンチはよく知られるようにバイクの整備に都合がよくできている。バイクは縦長なので、横からTレンチで、相手のネジに対峙するのがとても具合がいいからだ。だから、バイク屋さんをのぞくと、Tレンチがしょっちゅう活躍している光景がみられるはず。
  逆に、クルマの場合、たとえばエンジンルームにあるネジを脱着することを考えると、Tレンチは伸びをする感じになるので不利になる。でも、斜め横からなら十分活躍できる。シルバーのカラーが軸についているので、指ひとつでクルクル回せられ、実に軽やかに、スピーディにネジを緩めたり、締めたりできる。もちろんT型で締めることもできるし、ハンドルをどちらかに寄せてL字型レンチでより強い締め付けをすることもできる。
  この製品は、Tレンチだけで終わらない。ここがユニークなところだ。
  ハンドル部と軸部分を取り外すと、軸部が全長200㎜のエクステンションバーになるのだ。ジャジャジャ~ンとばかり、もう一つの顔が姿を現した感じ!?
  ハンドル部を取り外すし、頭部を見ると1/4インチの差し込み角部があるのだ(写真)。そこへ1/4のラチェットハンドルを取り付けることができる。手が入りづらい奥にあるネジを、楽に緩めたり締めたりすることができる。
  そして、先端部のソケットを付ける部分をズームインしてもらいたい(写真)。KO-KENなどのエクステンションバーでずいぶん前から採用されている2段階差し込み方式だ。つまりストレート(固定)でも首振り、どちらでも選択できる、便利な機能が付いている。製造の立場に立つと、通常のモノづくり工程に比べ2工程ほど多くなり、その分コストが上がる。でも、実際使うとストレート(固定)」にした場合、ソケットとの間にガタがあるのが気になった。
  いつも思うのだが、T型レンチは、ガレージで管理している工具たちととらえれば、問題ない(たとえばツールボードにぶら下げるとか、レールに差し込むとか)が、限られた大きさの工具箱に収納すると少し厄介。
  というのは、その形ゆえに、ほかの工具と絡んで、必要工具を探すときに邪魔になるのだ。でも、この製品は、軸とハンドルバーが分離できるので、繰り返し使えるリピートタイプの結束バンド(タイラップ)、あるいは百円ショップで手に入るマジックテープで、縛り付ければ、片方を紛失することなく、整頓も楽になるハズ。ところが相手は表面がメッキされているため滑りやすい。そこで、ホームセンターで手に入れた手持ちのチューブ状のゴム保護素材を活用してみたら偶然にもうまくいった。百均で手に入る幅広のパンツのゴム(?)あたりでも大丈夫だと思う。ちなみに、重量は133g、全長は200㎜。

2021年3 月 1日 (月曜日)

IPSのコンビプライヤーは、ガタが少なく軽量が美点だが・・・・!?

IPSコンビプライヤー  長いあいだクルマやバイクの標準工具として“付録で付いてくるコンビネーションプライヤー”は、「この程度のものじゃない!?」という、いわば自嘲とあきらめがにじむ黄昏のツールだった。なにしろ、ガタが大きく、握ったときのココロがいまひとつ定まらない感じだし、表面処理もざらざらして、少しも愛着を感じない。・・・・それでも仕方なく使っていたのは、付録でタダで付いてきている(本当は車両価格に含まれるのだが)から。
  だからして逆説的に・・・・ドイツのクニペックスが輝いて見えるのかもしれない!?
  ここをなんとかせんと・・・・いけない! 今回取り上げるプライヤーはそんなモノづくり側のココロザシが、ほのかに見える製品である。新潟の五十嵐プライヤーIPSの製品である。品番がLPH-165である。
  このコンビプライヤーは、クニペックスとは正面対決を避けている。グイグイ使い込み、プロのメカニックの相棒として、いい仕事を支えるプライヤーがクニペックスだとすると、こちらは、ソフトタッチなのである。アゴ部分に樹脂のカバーを付け、つかむ相手にとてもやさしいのである。これなら、メッキ品をつかんでも、化粧ナットをつかんだ時も、相手がプラスチックで弱っちいものでも、とにかくキズが付きずらい。だから、あらかじめ、保護目的にウエスを軽く巻き付け、用心深くつかみかかる…‥なんて忖度(心遣い)をしなくても大丈夫。
  そしてこのコンビレンチのいいところは、ガタがまるでない。従来のコンビプライヤーの悪評を吹き払う。
  それに軽量だということ。実測128gである。数値的には従来品の約3割軽い。実際手に持つとフィーリングとしては約半分の重さだ。ということは、バイクのツーリングのお供工具の仲間入りを許してもいいかもしれない。
  あえて、不満なところをあげると、グリップがやや貧相なところ。それと全体のデザインももう一工夫してもらうと、購入価格1738円がお買い得プライスと認識できるのだが。それと商品のパッケージは、魅力があるが、商品名が意味不明に近い。「ワンタッチソフトコンビ」なのだから。

2021年2 月15日 (月曜日)

ホームセンターオリジナルのコンビレンチ?

ビバホームのコンビレンチ1

ビバホームのコンビレンチ2

  工具業界も10年前は、考えられなかったほど、いつの間にか輸入工具が日本市場に進出している。ざっくり言えば中国製は、安かろう悪かろうで、百均の売り場でも手に入るもの。
  だが、台湾製はけっして侮れない工具が多くなった。たぶん、日本のバイヤー(販売元)が、台湾の工具メーカーにオーダーするカタチで商品化しているからだ。早い話日本人のテイストが入っている、たぶん。台湾の工具メーカーは、(10年ほど前取材したところによると)たいていは家族経営で、規模はせいぜいスタッフ10~30名ほど。なかには中国に工場を持つところもある。
  とにかくモノづくりの技術も高まり、日本のユーザーに満足を与えるクオリティの高い製品づくりを短期間でつくり上げるレベルまで高まっている。そのため、従来の日本の工具メーカーだけでなく、体力のある日本のホームセンターも、台湾製のオリジナル製品を日本で販売し始めている。今回取り上げるコンビネーションレンチも、そのひとつだ。
  ところが、この工具、不思議なことに、製品名はどこにもない。品番もない。シールには大きな文字で「ラチェットレンチギア式」とあるだけ。まさかこれが商品名とは思えない。
  ただ、輸入販売元はしっかり明記してある。㈱LIXILビバ(スーパービバホーム)である。埼玉県さいたま市に本社があり、全国に104店舗を展開するホームセンターである。
  今回取り上げたのは、軸の部分に大胆にも軽量化のための穴が開いているコンビネーションレンチである。メガネ部はラチェット式になっていてギア数が72とこまやかで、スムーズだ。ギアの音も心地よい。ブランド名も品番もないのが、不気味な気分を醸し出すのだが、CHROME VANADIUM(クロームバナジウム製)とサイズの12が明確に表示しているがなんとも変だ。
  う~ん、これを深読みすると、ラベルさえ張り替えれば、どこのバイヤーにも卸せるからなのか? 
  とりあえずいつものように、身体検査をしてみた。
  といってもこの場合は、全長をはかるのと重量を測定するだけだ。長さが200㎜で重さは79gだった。これまで累計30数ブランドほどのコンビレンチ(サイズはみな12㎜)を手に取ってみて、データを採取している。
  これに照らし合わせると通常は170㎜ぐらいで重さ70~80gなので、今回の台湾製は普通よりも1割強長い部類。長いということはそれだけ大きなトルクがかけられるが、工具箱のなかで邪魔になる側面を持つ。重量は穴あきのわりには平均値。見掛け倒しともいえなくもない。
  ところが、何度も触り、使うと悪くない面を発見した。角が滑らかなのだ。手に触れる感触が悪くない。そして、軽量化のための凹みが、実はトルクをかけるときの指の滑りをカバーしてくれる、そんな狙いも発見した。それにしてもブランド名がないのが、なんとも恨めしく感じた。価格は、12㎜で、998円だった。
  この記事を書いた翌日、念のためビバホームの本社に電話(フリーダイヤル0120-87-1146)で聞いたところ、面白いことが分かった。「この商品は、横浜の長津田店でしか販売していないもので、そのためHPで写真が載っていません。えっ、商品名が書いていない? これは失礼しました。実は、こちらでは、“ラチェットレンチ軽量タイプ”と社内で呼んでいます。ラベルと本体に商品名がないのは、たしかにお客様に不信感を抱かせるので、担当者に伝えておきます。…‥貴重なお話、ありがとうございます。ちなみにサイズは、8,10,12,13,14,17,19㎜があります」とのことだった。おそらく、長津田の担当者が商社的なゲリラ・ビジネスで、手に入れ販売している商品のようだ。

2021年2 月 1日 (月曜日)

フジ矢の万能電工ペンチを使ってみた!

万能電工ペンチ1

万能電工ペンチ2

万能電工ペンチ3

  いろいろな分野で高いパフォーマンスを演じる人のことを世間は、こう呼ぶ。万能選手、マルチタレント、オールラウンドプレーヤーなどと。
  道具の世界でもよく探すと、マルチツールが登場している。
  でも、たいていは“八方美人”的である。いずれの分野も中途半端か、機能同士が足の引っ張り合いをして結局は“単能工具”に軍配が上がる場面が多い。だから、マルチ工具は、ポピュラーになれず、いつしか忘れられる運命が多い。
  ところが、今回取り上げる「電工ペンチ」だけは、しぶとく生き延びている。昭和40年代にはすでに出回っていたのではないだろうか? となると半世紀以上にわたり「万能電工ペンチ」は第1線(でもないが)で工具箱に収まり、ときどき大活躍を見せる。
  正直、バイクやクルマの整備で、万能ペンチの活躍する場面は少なくはなった。でも、先日自転車に付けた後付けのデジタル速度計&積算計のコードの不具合を修復するとき重宝したし、バイクのリアランプの取り外しを容易にするためギボシを取り付けるさいにも活躍してくれた。使用頻度は低いとはいえ、これ一つ持っていると、なにかと便利だ。
  今回ホームセンターで見つけてきたのは、ペンチやプライヤーで有名な東大阪のフジ矢ペンチブランドの「万能電工ペンチ」(購入か価格2178円。アマゾン価格は1627円と知るがっくり!)。台紙にMADE IN TAIWANとあるが、“クオリティ・ファースト”を謳うフジ矢だけに、期待をもって購入した。
  まず身体検査だ。手持ちの万能ペンチ(エーモン製)に比べ、重量で3割重い304グラム。これは全長が20m㎜長い240㎜もある。エルゴノミックなデカいグリップがそのぶん長く大きくなっている。
  刃部を研磨しているという触れ込みだが、ワイヤーストリッパーの切れ味というか、被覆をもぎ取る機能は、さほどの差はないと見た(強引にもぎ取る感じだ!)。ターミナルの圧着作業も、「こんなものかな!?」という程度(写真)。
  M5の小ねじまでなら切断できる機能は、心強い感じだ。ためしにM3ボルトを切断してみた。両手で比較的軽々切断できた。そのうえのM4ボルトも、何とかグリップに力を込めて切断完了。でも、切断面を見ると、ネジ部や傷んでいるので、ダイスで修正して新たにねじ込んだ方がベターな感じ。(ちなみにエーモン製はM4も切断能力が怪しい)
  で、気を取り直し最後M5ボルトの切断に挑戦した(写真)。う~ん、死ぬほど両手で力を込めてもダメ、そこで床に置き、全体重をかけでもとてもじゃないが食い込みすらしない。大ハンマーで上からぶっ叩けばどうかな? となるとせっかくの樹脂グリップがだめになる! 結論をいえばM5ボルトの切断は、不可ということのようだ。となるとこの工具、点数をつけるとすれば75点ぎりぎりで合格かな?

2021年1 月15日 (金曜日)

コーケンのZ-EALにフルターンクロスレンチ登場!

KOKENクロスレンチ1

KOKENクロスレンチ2

  タイヤ交換のときに活躍するクロスレンチである。
  通常のクロスレンチは、クロスしている部分が、溶接してあるので、早回しの際は工具全体を回転させることになる。このKOKENのクロスレンチは、フルターンタイプ。つまり早回しするときは、片手で黒いグリップ部を押え、もう一方の手で横のバーをクルクルと回転させる。つまりブレることなく、素早く確実に回転させることができるというわけだ。
  横のバーが長いと梃子の原理で、より小さなチカラで脱着ができる。通常の固定タイプのクロスレンチは横のバーは400㎜が定番だ。
  ところが、このKOKEN Z-EAL(品番4711XZ)は、横のバーが350㎜しかない。通常のものより50㎜も短い。
  これでは非力な女子がタイヤ交換するには難しいのでは? と考えがち。ところが、上手くできているもので、横のバーはスライド式で、定位置以外でもT字型に近いかたちで回せるのだ。これなら、梃子の原理をさらに生かして小さなチカラで大丈夫そうだ(もちろん、ソケットにしっかりホイールナットを装着するのがポイントだ)。
  横のバーの断面は、KOKENお得意の楕円形。これは、アセアンの各国でコピーされるのを防ぐという目的で10数年前から採用されていたKOKENのオリジナルデザイン。ここでは、この楕円断面形状のおかげで、スライド部の遊びがなくなり、信頼感を高める福音となっている。2ピースになるので収納に苦労することはない。
  ところが、このクロスレンチの気になる点は、全体的に重い感じがすることだ。
  試しに秤で測定すると、クロスレンチそのものは、915gとライバルとさほどの差はない。でも、これにソケット(差し込み角1/2インチ)を付けると150gほど重くなり、トータルで1㎏を越える。つまり、通常のものより大よそ1割ほど重い勘定だ。できれば、バーの一部を中空にするなどの工夫があると鬼に金棒だ。ライバルのなかにはパイプを使った製品もあるからだ。・・・・でも鍛造品をくり抜くとなると、価格が一気に高くなる。現在、この製品、通販で7700円ほど、これにソケット約2000円で計1万円になる。メイド・イン・ジャパンの工具に付加価値を付けると、このようなジレンマが付いて回る典型的製品なのかもしれない。

2021年1 月 1日 (金曜日)

超強力マグネット式の「ネジキャッチ」とは?

ネジキャッチ①

ネジキャッチ②

  今回取り上げるのは、プラスドライバー、それも“2番(使用頻度が一番高い!)のドライバー”の軸に差し込んで使う「補助道具」である。あくまでも補助道具で、単独では使えません。
  高いところや低いところなど、身体から離れた状態でねじを締める場合、うっかりするとネジがドライバーの先端からこぼれ落ちる・・・・そんなトラブルが起きる。そんな心配のある場合、これを使うと100%安心して作業がおこなえるという補助道具なのである。
  使い方はカンタンだ。
  あらかじめこの補助道具「ネジキャッチ(品番406)」を2番のプラスドライバーに差し込んでおく。丸軸6~6.3㎜とあるが、ややきつきつの感じでねじ込むのだ。で、先端部が、少し顔を出すくらいにしておく。写真を見てほしい。すると、ネジを先端のクロス部に付けると、かなり強力な磁力で離れない。上向きでも下向きでも、多少振っても(スッポンほどではないが)離れない。
  あとは、何の心配もなくねじを締めることができるというわけだ。
  説明をよく読むと、全体がアルミ製でわずか5gしかないが、ローレットを回すと中のゴムリングのへしゃげ具合をある程度調整でき(写真)、丸断面のドライバー軸6~6.3㎜の径に合わせることができるということだ。
  以上、これだけのことなのだが、製造販売は、新潟三条のドライバーづくりの老舗ANEX(兼古製作所)である。製品そのものは、親指サイズ。価格は、ホームセンターで525円だった。他のドライバー、たとえば精密ドライバーとかに使えないのがつらい!

2020年12 月15日 (火曜日)

使える! 使えない?「600円弱で手に入れたボルト・ナットゲージ」

ボルトナットゲージ1

ボルトナットゲージ2

  なくてもいいけど、あれば少し便利かな?
  食料品や住居は別にして、世の中には、そうしたモノであふれている。でも、すべからくいえるのは、ある人には便利でも、別の人には、不用品となる、そんなモノで、世の中はあふれている、とも言えなくもない。
  今回紹介するのは、「ボルト・ナットゲージ」である。台湾製で、ホームセンターを歩いていて578円で手に入れたものだ。
  こうした類のものは、昔あった気がする。ピッチゲージだ。ネジのピッチを測定する板金製のツール。
  これはそれとは違い、ネジ径とボルトのネジの長さを測定するものだ。ネジ径といっても、意外と認識している人は少ないかもしれない。普通の人は、ネジ径よりもネジの頭の6角部の2面幅に大注目するだけで、ネジの直径など気にしない人が多い(かつてのバイク仲間の仲間もそうだった)。
  でも、まぁバイクやクルマで比較的よく見かける“ネジ径8㎜のネジ”は、6角頭の2面幅が12㎜である、ということぐらい覚えておいて損はない。それに街のネジ屋さんに行くとき、現物を持参し「おじさん、これと同じネジください!」と伝えるよりも、あらかじめネジのスペックを調べて置き(万が一のためサンプルのネジはポケットに入れておくこと)、「ネジ径がいくつで、頭がヘックス、ネジの長さ〇〇ミリのネジあります?」とハキハキと伝えたほうが3倍はカッコいい。
  という具合に、この樹脂製のゲージは、手元のネジを片っ端から、拾い出し、ネジ径とねじの長さを測定することで、よりネジに親しめる、そんなゲージである。すると見ただけで、ネジ径などのスペックを言い当てられる!
  インチとmmの換算表もあるし、ナットのサイズ(なぜかインチだけだが)も調べられる。輸入販売元は新潟県三条市の「シンワ測定株式会社」(℡0120-666-899)だ。

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