みなさん!知ってますCAR?

2020年12 月 1日 (火曜日)

な、なんとっ! 奥床しのコンビレンチ

正逆クイック切り換えレンチ1

IMG_6605

  考えるまでもなく、これはなんとも不思議な工具である。
  近くのホームセンターで、何気なく手に入れた“メガネ部首振り兼ラチェット機構を組み込んだコンビレンチ”。12ミリのコンビレンチなのだが、メガネ部が首振り式で、しかもラチェット式というものだ。
  いっけんするだに、普通の工具に見える。だが、左右の切り替えが曲者なのだ。
  通常メガネブの根元に切り換えレバーが付いていたり、逆向きにして左右の切り替えをする。
  ところが、これは、“ボルトにセットし、軸に書いてある矢印方向に押し付けながら、締めたい方向(左右どちらか。LかR)に回せば締め緩めの切り替えができる。最初、飲み込めずうまくゆかなかったが、割りと軽い力で押し付けたまま回せばいいだけ。押したまま回したい方向に回す、というのが、ポイントなのである。
  何度もやってみるとときどきカチッという音がするので、内部で左右切り換えをしていることがわかる。(ヒンジ部にトルクスらしい小さなボルトがあるが、取り外す工具が見当たらず、宿題だ)
  身体検査をしてみよう。12㎜のサイズで全長は180㎜、重量98gはごくごく標準の長さと重さだ。表面は写真で見るように鏡面加工がしてある。しかもギア数は90とかなりなものだ。
  首振り角度は180度、つまり直線でも、まっ直角でもOKというものだ。価格は1080円。これまたリーズナブル。台湾製だ。販売元は(株)LIXILビバ TEL0120-97-1146

2020年11 月15日 (日曜日)

これが“電ドラボール”のドライバー!

電ドラボール1

電ドラボール2

電ドラボール3

  いまホームセンター(HC)が受けに入っている。
  コロナ禍で籠り気味の庶民は、HCで素材を手に入れ、何やら工作をする。ガーデニング、クルマのメンテ、家の中に棚を作るなどなど、DIYを楽しむ素材はHCに行けばいくらでも転がっている。お手頃な費用でオリジナルなものが創れるからだ。
  そんなHCで『充電式ボールグリップドライバー』(品番220USB-1)を見つけた。ウワサでは聞いていたけれど、これが電動式のドライバー、人呼んで『電ドラボール』なのか? ドライバーのトップメーカー・ベッセル製。グリップが丸型なので、バイクや自動車の整備には向かないのを承知で、あえて購入した。購入先はHCではなく、じつはアマゾン。3118円で、HCにくらべて1500円ほど安かったからだ。
  で、さっそくパッケージから商品を取り出し、使ってみた。その前に充電だ。グリップの中央のカバーを外すと、マイクロUSB-タイプBの充電ポートがある。ここに付属のコードを差し込み(入電側は同タイプA)、充電。1時間もたたないうちに満充電となった。コードを外さないと、使えない安全設計。そこでコードを外し、付属のプラスビットを取り付けいざグリップの赤色のスライドスイッチを押す、あるいは手前に引く。
  押すと正回転引くと逆回転。スイッチを操作するたびにウ~ッウ~ッというモーターが心地よさを伴った唸り音をあげて動作する。同時にLEDライトが点き、相手のネジの頭を照らす。
  外観は、普通の丸形グリップドライバーと全く変わりない。付属の1/4インチ(6.45㎜)のビット(プラス2番)を付けて、重量が166g。全長210㎜。重さは通常のものより5割増し。グリップ内にモーターとリチウムイオン電池を内蔵している。それにしても、うまく収めたものである。その苦労をぜひ聞きたい。
  さっそく、大阪のベッセル社に問い合わせしてみた。企画した背景はどんなことがありました? そう聞くと「数年前からもともとこうした商品の要望があったんですわ。配電関係の仕事をされているユーザーさんからですわ」と元気な関西弁が返ってきた。「3年ほど前からあれこれ研究してきました。充電式だとインパクトで小さなトルクをかけられないという不満の声がありまして…しかも重くてデカくなる」など、丸型ドライバーのユーザーからのオファーだった。内部の構造イラストは非公開だという。(バラせばわかるが・・・・となると2度と使えない!)ともあれ、グリップ内に収める苦労に相当時間がかかった由だ。
  2Nm程度の小さなトルクで回せ、手締めもできる(10Nm程度)というのがこの製品の本領である。2Nmは大したトルクではない。クルマやバイクの整備では、あまり使い道がないというのが現状だ。家具の取り付けに使ってみようとしたが、まるでトルクが小さく役には立たなかった。
  まとめてみると、この製品、電気の配線など小さなトルクでの締め付けなど、しかも数が多い場合には、とても便利だ。それ以外ではあまり使い道がない、というのがいまのところの結論だ。ちなみに、内部部品は輸入品もあるようだが、組み付けなどはみな日本だということだ。そう簡単には壊れそうもないと見た。

2020年11 月 1日 (日曜日)

差替え式なのに貫通タイプ! 叩けるドライバー

叩ける差し込みドライバー1

叩ける差し込みドライバー2

  いまやドライバー(スクリュードライバー)ほど種類の豊富なハンドツールはない。ホームセンターに足を踏み入れると、中国製のとんでもなく安いものから、5000円近くする国産の高級品まで百花繚乱の感じ。
  そんななか、今回たまたまみつけたのが、「叩ける差替えドライバー」だ。新潟三条市のドライバー専門メーカー兼古製作所のANEXブランドの品番7755-P2である。P2はプラス2番のことである。軸を差し替えできるタイプだが、貫通ドライバーでもある、実に珍しい製品。叩くと当然軸にストレスがかかるので、軸の受け部は相当頑丈に作り込む必要があるため、これまでほとんど見かけなかったのは、そのぶんリスクが高いからである。その意味では挑戦的製品ともいえる。
  ところで、欧米人はまずドライバーをハンマーで叩く習慣はないようだが、日本人は、固着したビスの頭にドライバーを当てハンマーで叩く習慣を持つ。「ドライバーを鏨(たがね)と間違っているんじゃない?」と欧米人から突っ込みが入るところだ。だいたい工具箱に鏨を入れているメカニックはどのくらいいるんだろうか?(日本人はごく少数だと思う)
  ということで、工具メーカーも重くなりがちな貫通ドライバーを商品化することになる。重いといっても、非貫通がだいたい90~100gに対し、貫通は120~130gである。ちなみに、今回の製品は127gでごく平均的な重さ。全長189㎜は短めの部類だ。
  この製品は、軸を差替え式にしているところがミソだ。手持ちの6.25mmのビットが流用できるからだ。ただし、注意書きによると両頭ビットや段付きビットはハンマーでたたくと破損の恐れがあるから、禁止している。要するに片頭ビットに限るわけだ。
  ところで、ドライバーとしてはどうか? 丸断面のグリップは、合成ゴム(TPEサーモ・プラッスチック・エラストマー)で手になじみ、滑りにくい。軸の根元には2面幅12㎜のボルスター部があるので、スパナをかける作業もできる。軸の差し込み部のガタもボルスター部を付けたおかげで、ごく少ない感じ。完成度は低くない印象だ。価格は1628円。悪くないチョイスと思う。

2020年10 月15日 (木曜日)

タイラップのツラ切断! 付加価値の高いニッパーとは?

キャッチングニッパー1

キャッチングニッパー2

  なにも工具に限った話ではないが、いつの時代も“ユーザーオリエンテイド”な製品が、着実に消費者に受け入れられる理屈である。しかもお安い価格で!
  樹脂製の結束帯、タイラップと呼ばれる便利品は、いつの間にかワイヤーハーネスをまとめる小さなパーツとして、すっかりポピュラーな存在である。指でググっと絞り込み、簡単に配線を束ねることができる。ところが、端の部分をカットするときに使うのは小型のニッパーである(ハサミやカッターナイフでもいいが)。従来の道具を使うと、どうしても結束部のツライチでカットできない。だから、先端部に尖ったところが生まれ、うっかりすると指を怪我をする。樹脂とはいえ鋭角なところで、簡単に指を切るのである。いわばヤバい状況を作り出すのだ。私も何度も痛い目に遭ってきた。
  そこで、結束部面ギリギリのところで、カットできるニッパーがあれば文句ない。しかも、切った端がピョ~ンと飛び散らなければもっといい。
  ……ということで、誕生したのが、これである。刃の裏側に樹脂を設け、カットした端をここで保持して飛び散らない工夫をしている。
  商品名は「キャッチングニッパーCNP-124」。よく見ると、なんとMADE IN THAILANDとある。
  発売元は、新潟県三条市にある「髙儀」(℡0256-70-5100)。製造元は「THAI TSUNODA」とある。燕市にあるニッパーのメーカー「ツノダ」である。ということはツノダがデザインして、労働力の安いタイで製造しているという構図のようだ。
  切断能力は樹脂でφ2.0㎜、より線で2m㎡、飛散防止機能はφ0.2~2.0㎜。せん断面に取り換え可能な飛散防止パッドのスペアが1セットついている。ガタもなく全体のクオリティも悪くない。近くのホームセンターにて1304円で購入した。リーズナブルな製品だと思う。

2020年10 月 1日 (木曜日)

家庭内でちょっと使うドライバーなら

ANEX1

ANEX2

  ドライバーは、言うまでもなく「ねじ回し」である。どこの家庭にも1本か2本はあるポピュラーなハンドツール。
  ところが、このドライバー、いざ使うとなると、相手のネジに合わずにトラブったり、使えなかったりすることも少なくない。
  「本格的な整備に使うドライバーとは別に、身近で楽に使えるドライバーがあればいいのに!」
  おそらく、そんな要望に応えようとしたのが、この「ネジピタ目盛ドライバー」ではないだろうか。新潟三条市にある老舗ドライバーメーカーANEX(兼古製作所)の製品だ。
  丸型の手のひらにぴたり吸い付く感じの樹脂グリップで、しかも軸を差し替えできるタイプ。
  プラスの先端は、プラス1番から2番、3番まで使える、いわばマルチプラス形状。逆側は、マイナスドライバーである(正確に言うとマイナスの6mmだ)。しかも、面白いのは、軸自体に5㎜単位のスケールが付いている。おおいに目安になるので便利である。
  さらにもう一つおまけに、グリップエンドにマイナスのへこみを設け、いわゆるヒーカンと呼ばれるフックや蝶ねじを回すことができるのである。品番は1795-D.価格は近くのホームセンターで712円だった。重量は88グラムと軽量な部類。全長は、190㎜である。

2020年9 月15日 (火曜日)

アンギラス工具のWポンププライヤー!?

アンギラス1

アンギラス2

  たかが工具ではあるが、時として時代とともに名称が大変化することがあるから、油断がならない。
  たとえば「アンギラス」がそうである。アンギラスといえば、怪獣映画の「ゴジラ」に出てくる、もう一つの(一人?)怪獣名。ゴジラのライバル怪獣。と思っていたら、いつの間にやら、水道工事や自動車の整備で欠かせないウォーターポンププライヤーの別名に化けていた。そもそも発売元のロブテックスが命名した商品名だが、しばらく眺めているとだんだん「アンギラス」に思えてくるから不思議だ。
  ウォーターポンププライヤーといえば、大きなパイプをつかんだり、モノをつかんだり、ときには普通の工具では間に合わないときにネジを緩めたりする、いわばマルチの工具である。モンキーレンチほどではないが、アバウトツールの仲間ともいえる。
  今回取り上げる「ハイブリッドアンギラスUWP240DNA」は、板厚3㎜の板金製(つまり平たく言えば鉄の板からつくった)のウォーターポンププライヤーである。しかも、3枚合わせではなく、2枚合わせ。となると、鍛造製や板金でも3枚合わせにくらべ、ぐぅっと相手を力いっぱいつかんだ時にぐにゅと逃げてしまうのでは? とそんな心配をしがちだ。
  ところが、それはまったくの杞憂だった。いい意味での裏切りである。
  ジョイント部(上あごと下あごの)に遊びを極力少なくすることで、剛性感を高めているからだ。形状を煮詰めたり、組み立て工程での見直し、あるいはピボット部のカシメ時の緻密さに苦労している…‥と推理する。“モノづくり日本だからできた逸品“というと褒めすぎだけど。
  サイズはポピュラーな全長240㎜だが、かなり軽い。
  メーカーによると、従来品より37%軽量化したという。実測215gで手持ちのラインバルより、150gも軽かった。
  肝心の加え部分は、非対称の歯型で、3点支持で咥えるデザイン。パイプならφ55㎜までOKだ。根元のところで、φ2.6㎜の針金をカットできるカッター付き。くわえ部をよく見ると、先端部には、例の小ねじ脱着ペンチ同様の横溝を設け、小ねじを緩め取る仕掛けがある。しかも下あごのグリップエンドには、マイナスネジを緩めることができるドライバー付きである。
  もし新規に買うなら、おすすめだ。価格はホームセンターで2948円だった。

2020年9 月 1日 (火曜日)

これって・・・・・新境地を狙ったコンビレンチ!?

スタビ―ダブルフレックスギアレンチ1

スタビ―ダブルフレックスギアレンチ2

  前回に引き続きSEK(スエカゲツール)の工具である。
  「スタビ―ダブルフレックス・ギアレンチ」(品番DFGS)である。
  やけに長いネーミングを持つレンチだが、成りは短い。
  要するに柄に2つの関節を持つコンビネーションレンチで、メガネ部がラチェット式になっている。カレーライスのご飯の見えるところに牛丼の具を盛りつけたような……工具、というとわかりやすい? 逆に分かりにくいかもしれないが、とにかく、いくつもの合わせ技を持つ便利工具なのである。
  使ってみると、なるほど関節が2つあるということは、立ち上がり角度をしっかり持ったメガネレンチにもなるし、薄型メガネレンチとしてタイトな場所にあるネジを回すときに便利だ。スタビ―(stubby)というだけに、全体の長さが短め。たとえば、使用頻度の高いサイズ12㎜なら全長が通常の2/3の125㎜しかない。でも重量は100gで重い感じだ(通常は70~80g)。メガネ部の肉厚は8㎜で平均的だ。
  それにしても、よくこんなコンパクトな寸法の制限のなかで細やかに作り込んだものだ。しかも、関節の動きが使い手の意のままに近いことが要求される。この点も、よくできていて、節度ある重さで操作できる。何度も使ううちに関節がくたくたになったら、関節部のボルト(ヘックス)を締めこめばいい。ちなみにメガネ部のギア数は90山で、作業性はとても高い。価格は12mmで3900円とSEKにしては、ややお高い。8,10,12,13,14mmの5本組みがケース付きで1万8800円である。

2020年8 月15日 (土曜日)

これって・・・・・新境地を狙ったコンビレンチ!?

スピードコンビレンチ1

スピードコンビレンチ2

スピードコンビレンチ3

スピードコンビレンチ4

  なんとも不思議な工具を発見した。
  SEK(スエカゲツール)の「スピード・コンビネーションレンチ」(品番43SR)である。
  コンビレンチだから、当然スパナ部とメガネ部を持つ。ところが、この工具、何しろ「早回し」を信条とするので、よく見るとスパナ部もメガネ部も形状が、ふつうではない。スパナ部は、ギザギザ山が7山。4点でボルトの頭やナットを回す。とくにメガネ部は、相手サイズのボルトの頭をつかもうとするとグズグズでデカい!
  メガネ部は、楕円形で、先端部の内面はのっぺらで、手前にはやはり山が7山ある。つまりこの山にボルトの頭部を押し付け、駆動するのである。通常のメガネなら、ちくいち工具を相手のネジから外して付け替え(掛け変え)ながらの作業だが、これは、少しずらすだけで回せるという理屈。ただ、通常のメガネとは異なるので、使ううえで慣れというか、コツが必要となる。このことを承知していないと、イラっとすることがあるので要注意。
  でも、いずれにしろ本締め用ではなく、あくまでも「早回し」を得意とするユニークな工具である。
  仕上げは表面加工で、しかも薄型タイプ(12㎜で全長160㎜、重量54g)。サイズも大きめに表示しているので好感が持てる。写真は、12㎜だが、8㎜から、10,12,13,14,17,19㎜と7サイズある。価格は、12㎜が1200円。7本組みセットで9550円である。

2020年8 月 1日 (土曜日)

つかむ! のではなく、叩いて溝をつくり緩める!

なめネジを外すⅰ

なめネジを外す2

なめネジを外す3

  ねじ径が3㎜から6ミリの皿ネジやナベネジ、はたまたトラスネジと呼ばれる「小ねじ」。その頭がつぶれた! この緊急事態に普通の工具では、お手上げだ。緩めることも締めることもできない! 
  こうした状況で、近年一世を風靡したのがネジザウルスをはじめとした“特殊先端部を持つプライヤー”である。相手のネジの頭部をつかまえるべく、縦溝横溝をしつらえた特殊プライヤーで捕まえ、緩める・・・・というものだ。ところが、プロのなかには「数回使うとせっかくの特殊な溝が磨滅し、ふたたび使うのは難しい」そんな評論を下す向きもある。たしかに、微妙な溝なので、チカラを込めてつかむと磨滅するケースもあるやもしれない…‥?!
  今回取り上げる「特殊ドライバー」は・・・・果たせるかな『なめたネジを外すドライバー』(品番:SID-880D)という、その名の通りの商品名。
  なめてしまった小ねじのアタマに、このドライバーの先端部を押し当て、ハンマーで思いっきり叩いて、溝をつける。その溝を手掛かりに再び通常のドライバー(あるいはこのドライバー)で回そうというものだ。つまり、“鏨(たがね)的能力”を持つドライバーといえる。先端部をズームインすると、たしかに、鏨に似た形状をしている。
  手に持つと、ずしりと重い。測定すると130g。非貫通ドライバーより3割増しの重さ。面白いのが、全長だ。170㎜と通常の貫通ドライバー(2番)が210㎜あたりなので、2割ほど小振りにできている。これも「鏨的能力」を発揮させるための作り手側の意図が垣間見える。グリップエンド部は、「うんと叩いても変形などしないよっ」とばかりのデザインとなっている。軸自体は工具なしで抜けるので、先端部が傷んだら新品に交換することができる。
  ホームセンターにて990円で手に入れたもの。どのくらいのパフォーマンスなのか、その機会が待ち遠しい。発売元/藤原産業。

2020年7 月15日 (水曜日)

ニッパータイプの爪切りのアドバンテージ

ニッパー爪切り1

ニッパー爪切り2

  日頃よく使う、爪切り」といえば、たいていはステイプラー(というかホチキス)のようなカタチをしたシーソー型の爪切りをイメージすると思う。ところが、ネイルサロンなどでもっぱら使われるのは、「ニッパータイプ」だという。
  ニッパーと聞くと、電気工事や自動車のハーネスを細工するとき活躍するハンドツールだが、意外と爪切りとしても使われる世界があるのだ。ステイプラー型の爪切りばかりを使うのは、面白くないとふと考え、東大阪にあるフジ矢ペンチを取材した折頂戴した、ニッパータイプの爪切りを使ってみることにした。これもステイホームのおかげである。フジ矢ペンチは大正12年創業の老舗ペンチメーカーで、中学生のころから重くて動きが渋いフジ矢のペンチを使っていた経験がある。
  そこで、ニッパー型の爪切りである。
  正直言って、利き手で使うぶんにはいいが、利き手でない手で使うと難しいのでは? 下手すると指を切るのでは? と思っていたが、まったくの杞憂だった。存外スムーズにうまく切れるのである。ステイプラー型では爪の大半を覆うので様子が分かりづらいときがあるが、ニッパータイプではよく全体が見渡せるので、どのくらい残すかなどが分かりやすい。しかも爪をアール状に切ることもできるのがいい。小回りがきく感じ。言葉を変えると、ステイプラー型はかなりズボラに使えるが、ニッパータイプの爪切りは研ぎ澄まされた職人的な感覚で使える。ただ、切った爪がひょいっと遠くに飛んでしまうことがあるので、要注意だ。
  写真のニッパーは、ネットで調べたが、見当たらない。いわゆる世にいう“ノベルティグッズ”なのかもしれない。でも類似した製品は1000円ほどでカンタンに入手できる。ちなみに、写真のものは、ピボット部にFOR NAILとある。全長は110㎜の手のひらサイズ、重量は60g。コイルスプリング付きで、見方によっては愛らしい。

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